episode3 ページ3
『あっ……』
帰り際、校庭でたまたまさっきすれ違った彼を発見した。
……ばか。そのまま帰ればよかったのに。
なんでだろう、、
彼に特別惹き付けられる何かを感じて。
ていうか、
ころんくん、サッカー部だったんだ。
暫く校庭の隅の方で練習風景を見つめていると、
彼と一瞬だけ目があった。
やっぱり彼の瞳は淡く綺麗で、吸い込まれそうで
私の心全部見透かされてそのまま飲み込まれて仕舞いそうだった。
そんなことを深く考えていると、
本人が此方に向かっていることに気づかずいつの間にか目の前に。
…本人は急いで来たのか肩で息をして。
え、
……なんで??
「…僕のこと、いま、みてたでしょ、」
「どうして……」
『……ちょっと、気になっただけ』
照れ隠しで、貴方のことが、と付け加えて。
いま、敬語、え?なんて綺麗な瞳を大きく見開いて動揺する目の前の彼
何だかそれが可笑しくて少しだけ笑ってしまった
……彼は気づいてなかったみたいだけど
・
・
・
放課後、サッカー部の練習中に、端の方で見覚えのある女子が見えた。
「ごめん、ちょっと…」
「…はぁ??急にどうしたんだよ、おまえ、」
「…ちょっ、おいっ!まてっ、ころん!!」
同じサッカー部のエースのさとみくんにそう声を掛け、僕はその子の方へと向かって行った。
さとみくんの問いかけにも無視をして。
……何故か今行かなければ後悔する
そう心の中で訴えかけられてるような気がしたから。
案の定その子は急に目の前にきた僕を見て硬直していた。
それにしても、この子が高嶺の花…なんて呼ばれる理由が何となくわかる気がする
噂には聞いていた。毎回学年1位を取る女子がいるって……でも、興味は無かった。
僕は彼女とクラス同じになったことは1度もないし、
今まで1度も学校内ですれ違ったことすらなかった。
だから、少しだけ、、僕らに興味が無い君に、興味を持ったんだ。
"王子と呼ばれる僕らに一切興味を持たないきみに"
歩く度に揺れる綺麗なロングの銀色の髪、透き通るような茶色の瞳、それに頭に付けた水色のヘアピン…
あれ、なんか。
なんかこのヘアピン見覚えが……
いや、そんなはずは。
僕はしゃがんで両手で頭を支える。
ないない。見覚えなんてあるはずはないんだ
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