【ymin】役作りを頑張る伊野尾くんと本気を出す山田くんの話。2

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誘ってきなよ、というゆーてぃに背中を押されて、俺は伊野尾ちゃんを探す。

伊野尾ちゃんは、撮影中なのにふざけてポーズをとる大ちゃんと雄也を見て、けらけら笑っているところだった。

俺が近づくと、伊野尾ちゃんがくるりと振り向いた。


「山田？どうしたの？」


笑いすぎたのか少し涙目で、呼吸の荒い伊野尾ちゃんにドキッとする。



……いやいや俺。こんなことでドキドキしてたら、心臓がいくつあっても足りねぇぞ。


明後日のごはんなんだけど、と切り出すと、


「それだったら、山田に任せるよ？」


なんでもいいよ、と伊野尾ちゃんは笑う。

こういうところが好きだなって思う。


俺が何をしたって、許してくれるっていうか。

なんだかんだ包容力が高いところ。



ねえ、それならｰｰｰｰｰ。

「……俺が好きなもの作るから、家に来ない？」

「えっ」


伊野尾ちゃんはなぜか素っ頓狂な声を上げた。

声が大きかったせいで、撮影が一時止まってしまう。

伊野尾ちゃんは申し訳なさそうに頭を下げてから、声を潜めて俺に詰め寄った。


「ほんとに？ほんとに山田が作ってくれるの？いいの？」


てっきり断られると思っていたけど、予想外の好感触に、俺はにやけそうになる。


「もちろん、いいよ」


なんとか抑えて、キラキラのアイドルスマイル。
伊野尾ちゃんはにへぇ、と嬉しそうに微笑んだ。


「どうしようかなあ……ねえ、ほんとになんでもいいの？」

「あっ、トマトはダメだからね！」

「分かってるってば〜」


軽口を叩きながら、頭を悩ませてくれる伊野尾ちゃん。

こんなに真剣に考えてくれるなんて、かなり嬉しい。


……俺の家に来るのに躊躇いがないのは、ちょっと悔しいけど。

全く意識されてないってことだし……。

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