33度のアイスクリーム(2016.8) ページ44
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「ねえ、アイス食べ行かない？」
扇風機の風を直に浴びながら、目の前でノートと参考書に向かう少年。
「え、えっ…え」
僕ですか、と自信なさげ。
「うん。俺と、アイス買いに行こ。」
どうしてもセットを崩せない撮影があって、今はその撮影中。
あと数時間は待ち。
若いとは言えど、この若さで、この暑さでは参ってしまう。
「何故でしょう……柳楽さんあそこにいらっしゃいますけど…」
「俺と出かけんのいや？」
「そんな滅相も…！」
「はいじゃ決定。いこ、休憩。
いいじゃん、沖田と松成みたいな関係。あと吉沢さんってなんか怖いからやめてよ」
「先輩ですよ、吉沢さんは」
「いい。さん付けやめよう」
「吉沢くん…？」
「ほぼ一緒じゃん」
「亮さん」
「君付け」
「…………わかりました。
恐れ多いですよ。お顔が…綺麗なので」
「そっくりそのままその言葉をAくんに返すよ」
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何だろう。結構このチームは、ゆるい。
何でもアリな人たちの集まりで、現場は常に笑いが絶えないし、めちゃめちゃ面白い。
けど、あまりにもハッチャケすぎていてこちらも戸惑うときが多々ある。
ちょっと出かけてもいいですか、と問えば「いいよー！」なんて二つ返事で帰ってきて、そのあっさりさに驚いた。.
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並んで歩いて、撮影所の最寄りのコンビニまで。
「どのアイスが好き？」
「フルーツのやつとか」
「冷凍みかんだって、懐かしいな」
「あ、パルム」
「全部美味そう」
「ですね」
現場にさし入れよう、と思いついて箱のアイスバーをいくつか籠につっこむ。
僕も払います、と財布を出そうとしたので、慌てて止めた。
「子供はいーの、お金出さなくて。俺が払う」
最近の若い子はよくできてんなあ、と思いながら。
「ジャニーズってやっぱ普段から気ぃ使う？」
「先輩後輩がやっぱり厳しいので、まあ」
「そうかぁ、」
「本物の兄弟みたいに良くしてくださる人もいますけど、狭い世界だし、やっぱどこかではライバルなので」
「だよなぁ」
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「この現場、大変だけどスゴく好きなんです」
等身大の自分に戻れる気がするから。
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夏のど真ん中。
クーラーのガンガンに効いたコンビニから出ると、また肌にまとわりつく暑さに刺される。
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さとみ(プロフ) - 続きが気になります！パスを教えて頂きたいです。 (2023年4月19日 3時) (
レス) @page44 id: dc53ed0d61 (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 何度も楽しく読ませていただいてます!よろしければパスワードを教えていただきたいです！宜しくお願いします！ (2022年9月11日 11時) (レス) id: 5e18e69194 (このIDを非表示/違反報告)
そよん(プロフ) - よろしければパスワードを教えてください！とても面白くて読んでいてとても楽しいです！よろしくお願いします (2022年9月3日 15時) (レス) id: 04f1e702a9 (このIDを非表示/違反報告)
リア(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます！もし良ければ、パスワードを、教えていただきたいです。よろしくお願いします。 (2020年12月1日 9時) (レス) id: 8752f9be26 (このIDを非表示/違反報告)
Haruka - パスワードを教えてください！お願いします (2020年8月25日 0時) (レス) id: 2f0f0a00b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆこ | 作成日時：2020年5月30日 12時
