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「……んぅ」





今度はさっきとは違い、すっきり目が覚めた。

試しに寝台(ベット)から足を出して立ってみる。
均衡(バランス)感覚に狂いはなく、すんなり立てた。

ふと外を見てみると、青空が広がっている。
朝だ。





「……は?」





もう一度確認してみても朝だ。
どういう事だ? 僕がさっき寝た時は夜に近かった筈。
つまり、僕は医務室で夜を過ごしたと云う事か。

……与謝野さんに迷惑をかけてしまったな。

医務室から出て自分の席に着き、これからの事について考える。



エーミールがこのヨコハマに来ている。理由は簡単だ。

僕を殺す為。

そもそも何故追いかけられているかと云う話をすると、原因は僕にある。
それは思い出したくも無い思い出だ。

椅子の背もたれに思い切り寄りかかり、目を瞑る。
そして、椅子でぐるぐる回る。





「あー嗚呼、本当はもっと身長高いのにな……」





如何してこんな事になっているんだか。
殺されるところまで来ちゃったか。

エーミールはきっと僕を恨んでいるんだろうな。





「……やめよう」



「何をやめるんだい?」



「それは考える事を……

…………ん?」





何処からか聞き慣れた声が聞こえて、閉じていた目を開けた。
すると、目の前に江戸川さんがいた。

……何これ怖い。

否、それよりもいつの間にかきていた彼に寂しい独り言を聞かれた。
駄目だ。いつも通りにしてないと。





「えっとー、江戸川さんはいつから此処にー?」



「君が医務室から出てきたところから」





最初からじゃないか。
つまりあの身長の事についても聞いたと。

うわ拙い。





「いきなり出てきて僕に挨拶をせず、椅子に座ったと思ったら、ぐるぐる回り出すんだもん。気になるよ」



「あははー、ごめんねー
じゃあおはよー」



「うん、おはよう

それよりもさっきのやめようって何?」





更にずいっと顔を近付けるものだから、僕はもっと背もたれに体重をかける。
ギッと音がしたが、気にしない。

“ねぇ何で?” と更に訊いてくる江戸川さんと目を合わせないようにしている。
この人の目は、何か見透かされるみたいで怖いのだ。





「ねぇ」





更に近付こうとするので、此方も更に後ろへ行くと探偵社の扉が開く。

江戸川さんは扉の方を見るため、僕から離れた。
そして僕は椅子と共に後ろへ倒れた。





「……おはようございます?」





それを出勤した国木田さんは不思議そうに見ていた。

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小泉八雲 - あらら…終わってしまったんですか……続きがとても気になります 更新期待してます……! (7月13日 22時) (レス) @page23 id: a3d5b84e3e (このIDを非表示/違反報告)
らむくん@ヴィル様の旦那さんになりたい人(プロフ) - えっ、嘘!?終わり……!? (2020年11月9日 17時) (レス) id: c2e37a127a (このIDを非表示/違反報告)
アカヤ(プロフ) - うわぁ…!めっちゃ面白いです…! 更新待ってます。 (2020年11月7日 14時) (レス) id: c94cddf62e (このIDを非表示/違反報告)
あかや - お、終わり、、、? 続きをお願いしますぅ、、、! (2020年11月7日 14時) (レス) id: 51d8bbe764 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いします!ヘッセくんやエーミールも好みなので、もっと見てみたいです。長々と失礼しました! (2020年1月10日 23時) (レス) id: 52067018fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:篝 ヒカル | 作成日時:2017年4月22日 17時

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