74 (…めっちゃむずかしいんだけど！？？！) ページ24
…
拝啓、全国古今東西散らばる先輩審神者様がたへ。
｢〜〜〜〜っ！｣
｢力みすぎております！もう少々緩めて下さい！｣
｢ゆるめる、って、…っ言っても、…！｣
(緩め方が分からん…！！！！)
手入れ、…めっちゃむずかしいんだけど！？？！
…
扉が閉まった後、とりあえず部屋全体に置いてある行灯にあかりを灯して、資材と手伝い札っていう札を確保しつつ、担架から台の上へ五虎退さんを移した。
三日月様が、念の為、誰も入って来られないよう、扉の前に立って護衛をしてくれることになった。
(ぜったい、絶対に治すからね、)
あたしの手は、五虎退さんと彼の周りにいた五匹の虎達の血で今や真っ赤になっていた。爪の隙間までが赤く埋まっている。今まで生きてきて、正直ここまでの血を見たこともなければ、血をこんなに触ったことさえ無かった。直視することを未だに避けてしまう五虎退さんの体に、心の中で何度も何度も話しかける。
｢貴方様の霊力は、…自覚が伴わずとも相当な規模のものでございます。私めに、特に他意無く触れただけで大方の傷を治癒してしまった程ですから｣
五虎退さんの傍らに立つあたしに、台の上にちょこんと乗ったこんのすけさんが話してくれる。その言葉に逐一頷きながら、何とか緊張し過ぎないように、手入れの解説を聞きながら何度も何度も深呼吸した。
｢ですので、はじめから本格的に霊力の放出を行うのでなく、徐々に少しづつ霊力量を増やしていき、適切な加減を測ることから始めましょう｣
｢は、はい｣
何百回でも思い直すけど、あたし、ほんとに、摩訶不思議な出来事も何も特に経験した事のないノーマル人間だったのに、突然超能力者になっちゃった…んだよね。
霊、力、…。赤くなった手のひらをじっと見てから、ぎゅうっとそれを握りしめた。
｢まずは、五虎退へ手をかざしてください｣
｢うん、｣
｢息をゆっくり吐いて、｣
｢…ふぅ、…｣
｢結構でございます。…脳裏に、五虎退の治癒した姿を手入れが終わるまで、終始意識し続けてください｣
｢…はい｣
｢落ち着いて、ゆっくり、初めでございます故、どれだけ時間がかかっても構いませぬ。…しばらく経つと、手の方にあたたかい熱が感じられる筈です｣
｢……うん、あったかくなってきた、…っわ｣
何とか努力して息を静かに吸って吐いたりしながら、五虎退さんが戻るよう、治るように考えて、手をかざしてると、あたしのその手が熱と共にやわらかく光りはじめた。
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鳥(プロフ) - 読者様 一つ一つにお返し出来ずすみません！コメントありがとうございます！(三)についてですが、推敲が終わったところから随時公開しております！またお時間空いたり思い出して頂けた時に読んでもらえたら嬉しいです。遅筆ですが楽しんで書いております (7月7日 10時) (
レス) id: 4bf57b87a0 (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - 初めまして！一気に見させていただきました。とても面白いです！そして続きが気になります。パスワードおしえていただけないでしょうか？ (6月18日 13時) (レス) @page50 id: 673a00a1b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ＠前垢消えた(プロフ) - 続き楽しみにしてます！！！！！ (2023年4月28日 13時) (レス) @page50 id: 0e552ce067 (このIDを非表示/違反報告)
テオ(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。ここまで読ませていただき本当に面白いと感じました。表現の仕方がとても好きでストーリーも最高です。推敲が終わるのをとても楽しみにしています。無理のない程度で頑張ってください💪 (2023年4月27日 14時) (レス) id: 85b09c3093 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 始めまして！クロです凄く面白くて続きが気になるのでパスワード教えてくださいm(._.)m (2023年3月30日 1時) (レス) @page50 id: 16daf975b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳥 | 作成日時：2020年2月24日 20時
