涙が142こ ページ13
-NO Side-
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山崎「ッ副長ォォオオオ!」
少し冷え込んできた朝方に、煩く副長室に駆け込んできた山崎。
低血圧と、ここ数週間の疲労の所為か、土方の怒りが溢れ出したが、
山崎「おっ、沖田隊長がッ!!!」
久々に聞いたその名に、背中に冷たい何かが過った…。
(デジャブ)
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-沖田 Side-
ベットに伏して、ただ白い天井だけを見上げていた一ヶ月。
“あの人”が、すぐ側にいた様な気になって目覚めてみれば、
『アイツなら、数時間前に出て行ったよ。』
衝撃的な一言が、今も背後から付いて歩く奴から届いた。
まぁ、その奴とやらが…
?「おーい、総一郎くぅん〜?またほっつき歩いたら、お腹のキズ開いちゃうんじゃない?」
沖田「…大方、アンタもあの人の行方が気になる癖に。それに俺は総悟でさァ…“旦那”。」
────────────…あの人の行方をよく分かる人…だったりして。
銀時「いやぁね、俺は別に君の傷が開いたって気にしないよ?だけど、君んとこの過保護なゴリラとかがね〜…。」
まぁ強ち間違えでは無い。
だが、さっきから臭う、鉄臭さ…。
沖田「はっ。怪我っつったら、旦那も同じじゃぁないですかィ。…腹んとこのガーゼ、真っ赤ですよ。」
そう言って、視線を背後にやれば、暴露たかと少し戯けた表情の旦那と目が合う。
沖田「(俺が目覚める前に…一悶着あったな。)」
滅多に傷なんか作らねぇ旦那の腹に、大きく一振り。
ガーゼの所為で見えないが、滲む血痕のお陰で、艶やかな太刀だと伺える。
沖田「…斬新な斬り口…ねェ…。」
そうともなれば、チラつくのはやはりあの人の横顔。
何かを取り繕うかの様に、いつも涙を隠して笑っていた。
あの人の笑顔を最後に見たのは何時だったか…。
それすらも思い出せない程、俺らは薄情な人間だったんだ。
だけど、それすらも許し、守ってくれたあの人…。
沖田「…でも、今度は俺が守る番でさァ…
─────────────…美さん。」
だから帰ってこい、とまだ昇ったばかりの太陽に一言。
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(何もかも捨て置いて)
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知念菜々(プロフ) - 素敵な小説ですね、思わず泣いてしまいました(笑)これからも頑張ってくださいね (2019年4月26日 12時) (レス) id: 70738b0893 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - とても素敵な小説ですね・・・!感動しました。( i _ i )主人公や沖田や銀さんの想いが切実に伝わってきました。更新楽しみにしております。頑張ってください! (2016年1月24日 22時) (レス) id: 8fa45dd2aa (このIDを非表示/違反報告)
みかんのポン酢 - 更新楽しみに待ってます!!シリアス好きにとっては美味しい(?)小説ですねwww応援してます! (2015年12月30日 12時) (レス) id: a0bf40ef9d (このIDを非表示/違反報告)
クロゥ - 主人公が何もかも背負っているのを見てる沖田と土方と銀さんなどの気持ちと主人公の気持ちを考えて何度も号泣してしまいました。これからの話も気になるので続き楽しみにしています!お身体に気お付けてください!次の更新楽しみにしています! (2015年10月5日 0時) (レス) id: 076214571a (このIDを非表示/違反報告)
夜桜 - 主人公が何でも背負い込む所が辛そうで何度も泣いてしまいました。続き、とても気になります更新頑張って下さい! (2015年8月27日 21時) (レス) id: 26fe401622 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊 x他1人 | 作成日時:2015年5月26日 23時