使える技 ページ10
「安西先生!只今戻りました!!」
合宿が無事終わり、帰ってきた俺達は体育館へ赤木先輩の声と共に入る。
桜木は汗だくで、体育館の中にいた。
赤木先輩の話によると、個人練習を積ませた方がいい、ってことだったよな…?
習得した技って…
と、俺が色々考えている内に、
「よーし!今夜はゆっくり休んで明日は2時からIH前の総仕上げだ!いいな!!」
「「「はい!!」」」
「解散!」
「「「お疲れさんでしたーっ!!」」」
その声と共に、部員は散っていく。
全員帰ったあとに、俺は体育館に残り、個人で練習をしていた。
今回、一勝一敗一分けだった常誠高校との対戦で、ポジション的に相手のキャプテン、御子柴さんについた。
その時、さすが全国ベスト8なだけあり、御子柴さんはそう簡単には抜けなかった。
そして、その経験から気付いたこともあり、そういう場面での新技を試している最中だった。
ハーフラインを越え、その技を使おうとした瞬間、
ダムッ
と、いきなり後ろからボールをつく音が聞こえる。
反射的に後ろを振り返ると、そこには楓がいた。
「楓、いたのか!?;全然気づかなかった…で、どーした?」
やっぱり集中し過ぎると周りが見えなくなるな…と自分の弱点を感じつつも、質問を投げかけた俺に、
「別に」
と、短く返事を返す楓。
とか言いつつも、多分俺が残ってるのを見てバスケがしたくなっただけだろう。
そして、俺は楓に頼んだ。
「楓、わりーけどディフェンス、してくれないか?」
楓は頷きもせず、ボールを置いてこちらへ歩いてきた。
「ホント、いつもやってもらってばっかで悪い…;」
ダァンダァン…
夕暮れの光の指す体育館で、1つのボールの音が響き渡る。
ハーフラインを超えた俺は、いきなり速度をあげた。
まぁ、楓はもちろんついてくる。
けれど、そこが狙いだった。
相手が速くなれば、追いつくために、敵も速度をあげる。
そして、左にクロスオーバーしようと構える。
ディフェンスはこの瞬間、左に警戒心を持つ。
現に楓もそうだった。
そして、最終的にドリブルをついていたのは右手。
後ろには楓がいて、俺が抜いたことを、改めて実感した。
最終的には右手でボール持っていたかもしれないが、実はその前にクロスオーバーをしていた。
そして、その後即座にそのボールを低い位置で右に押し返しただけだったのだ。
でも、その速さを速くすることによって、
これは使える技だ…!
と、俺は確信した。
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並木町(プロフ) - すごく面白かったです! (2022年12月12日 21時) (レス) @page15 id: 0c7d654824 (このIDを非表示/違反報告)
Marinta Galaxy(プロフ) - 白い雪兎さん» スラムダンク、今年映画化するそうです!! (2021年1月15日 15時) (レス) id: 59dbb8998a (このIDを非表示/違反報告)
白い雪兎(プロフ) - にこぱさん» ありがとうございます! (2020年6月15日 7時) (レス) id: 2c27ca0b28 (このIDを非表示/違反報告)
白い雪兎(プロフ) - Rayさん» 遅れてすいませんでした!今日します! (2020年6月15日 7時) (レス) id: 2c27ca0b28 (このIDを非表示/違反報告)
にこぱ - 楽しみにしてます!頑張ってください! (2020年6月15日 5時) (レス) id: 7f3a127dad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白い雪兎 | 作成日時:2017年11月17日 22時