終わりのセラフ-vampire edition-

安全なクスリ ページ25

新宿五丁目 交差点

目の前で激しい死闘が繰り広げられる

片方は自分の兄でもう片方は月鬼ノ組の男だ


ふと後ろの方から殺気を感じ素早く剣を抜くと背後まで迫っていた人間目掛けて振り下ろした

「ぐぁっ！」
血飛沫をあげ倒れる人間から目をそらしまた兄達の方へと意識を向ける


「おーおー」

「なんだてめぇ強ぇ〜なおい！」

ミカ「……そう？」

ミカ「でも君は強くない」

「そうか？」
トンと音をたてミカの額に札が貼られる

レン「……」

「爆烈しろ」

「不動明王呪」
男がそう言うと共にドォンと大きな音をたてミカに貼られた札が爆発した

しかしそんなもの兄には通用しないことはレンでもわかった

「…ちっ 今のよけんのかよ」

「たまんねぇなおい」

ミカ「爆発が遅いよ……それにそんな古い呪術が吸血鬼に通用するとでも？」

フェリド「あーはー」

フェリド「さっすがミカ君」

フェリド「第三位始祖クルル・ツェペシのお気に入り」

フェリド「圧倒的な力と傲慢さ でもその傲慢さは足元をすくうよ 手伝おうか？」

ミカ「…なんだよそれ」

ミカ「どこに僕の負けがある？」

レン「ミカ兄、足元危ないよ」

フェリド「あーもーなんで先言っちゃうかなレン君、敵は最初(ﾊﾅ)から一対一で戦う気はないよ」
スッとフェリドがミカ兄の足元を指で指し示す

ミカ「！！？」

「バレたぞ時雨」

「殺れ」


「はい」
糸を操ることで地面に刺さっていたクナイらしきものが抜けミカ兄に襲いかかる

「五士」

「幻術展開」

レン「幻術ねぇ…」
剣を振りかぶって風をおこし幻術使いの男に攻撃する

「もうやって…っ！？」
思わぬ妨害で相手側は慌てふためき幻術が歪んだその隙に兄は俺の隣へと着地した

ミカ「レン、助かっ…」
ミカ兄の言葉を遮るように俺たちの背後に男が迫る

「予定が狂ったがまぁいい」

「ほら チェックメイトだ吸血鬼」

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