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第9話 ページ9

『紹介します。今日からここに転校してきた、北沢花(きたざわはな)さんです。』


私達は、目の前にいる”北沢花”に、唖然としていた。


『北沢花です。よろしく。』

心地よいアルトの声。
目の前で、気だるそうに挨拶する転校生は、花ちゃんではなく、花君だったのだ。


ど、どう見ても男子!

でも、そんなことで私は動揺しない!


問題は北沢花君の容姿にあった。

無駄のない引き締まった体に、すらっと伸びた長い手足。あと、身長が驚くほど高いのだ。
シュッとした顎に、薄い唇、見るからにサラサラな黒髪に、切れ長な目。
そして、その冷血な瞳は、赤黒い色と言う表現がしっくりくるような色をしていた。

翼と並ぶくらい整った顔立ちをしている。
ものすごく、いや、とんでもなくイケメンだ。

というか、さっき頭を下げた時にちらっと見えたのだが、耳に、すごい量のピアス空いてる!!!



みんなは気づいてないのか、イケメンだイケメンだとヒソヒソ話している。

対して花君は、驚くほど無表情だ。


こんな時期に転校生なんて、珍しいなぁ、
怖いから、あんまり関わらないようにしよう、、


そんなふうに、特に何も思わず、ぼーっと花君を眺めていると、ふと、花君と目があった。

しまった!

慌てて目をそらす。
見すぎた、失礼なことしちゃったなぁ、

そう思い、恐る恐る視線を戻すと、まだ、あの赤い瞳が、私のことを凝視していたのだ。

えぇ?

そうなったら私も、目をそらすことが出来ず、ただひたすらに相手の目を見つめるという不思議な空間に。


それにしても、見れば見るほど不思議な目だと思う。まるで、吸い込まれるみたいな、そんな、不思議な、、、




それで、今度は私が花君を凝視する側に。

じーっと見つめていると、堪え切れなくなったというふうに花君が小さく吹き出した。

その笑い方は、先程までの無表情とはうって変わり、優しさを含んだ笑みだった。



『み、す、ぎ。』

口パクではあるが、確かにそう言った花君。

私は爆発寸前まで恥ずかしかった。





『きゃぁー!私を見て微笑んだ!』
『違うよ!私を見たんだよ!』

どうどう、喧嘩しないで。

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ナナ - とても面白かったです!!早く続きが読みたいです!! (2月9日 8時) (レス) @page44 id: abf6832c1a (このIDを非表示/違反報告)
悪役ですが何か?(プロフ) - 花君と翼の絡み、すっごい良かったです!!あなたは、神か!? (2023年4月8日 6時) (レス) @page44 id: 80363cd358 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - はじめまして!いつも読ませていただいています。すごく素敵な作品でした。更新お待ちしています。 (2021年4月2日 15時) (レス) id: 7efce59d5b (このIDを非表示/違反報告)
ねね - 花君が誰か分かったとき、あの時のカラス!!といっていて面白かったですwwそれと花君が言っていた「あのムカつくマスク野郎もいたけど、」のとこも面白かったし、第39話の若武?かな?が「うえっほん、それで、続きを話してくれ」のうえっほん!が一番面白かったですww (2021年4月1日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
ニコニコ(プロフ) - 未胡成@定期的に病むさん» ある意味危ない展開になってしまった、、。翼を動揺ってなるとこれしか思いつかなかった、笑 (2020年4月28日 9時) (レス) id: 1c8e88b554 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニコニコ | 作成日時:2018年8月17日 0時

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