課長がお呼びです。 (ページ39)

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彼女にはこんな顔、見せるのかな。

なら、嬉しい。

ちょっと可愛いくて。

亮ちゃん、て、あだ名も。

これなら納得。

錦戸課長が、チョコの袋を開けて。

「いびつやな。これ作ったん？
なんか不細工な顔。
何これ。犬？」

いきなり悪口言われた。

「はい・・・
それ、錦戸課長です」

似顔絵のつもり。

メガネのない顔が見たくて。

今朝、起こしに行った時、
見ちゃったもん。

寝ぼけてて、
髪もボサボサで。

可愛いかったなあ。

「俺？
ひど。
俺、こんな犬みたいなん？」

「可愛いワンコです」

錦戸課長は、いつもメガネと前髪で隠してるけど、
たれ目で、本当は可愛い顔してる。

「可愛いないやろ、これ。
ブサ犬やん」

散々な言われよう。

「頑張って徹夜したのに。
ひどい・・・」

「徹夜？
これのために？」

錦戸課長が本当に驚いてる。

「はい。
その前にトリュフなんて難しいものにチャレンジして失敗してしまって余計に時間がなくて。
なので昨日、バーで寝てしまって・・・」

「そうやったんや。
ブサ犬作るために徹夜て。
あほやな」

やっぱり意地悪だ。

優しいなんて思った私がバカだった。

「ブサ犬じゃないもん。
可愛いもん。
もうそんなに言うなら、
私が自分で食べます」