課長がお呼びです。 (ページ13)

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「そっか。
じゃあまた誘うね。
今日はゆっくり寝て？
けどなんで徹夜なんかしたの？」

やっぱり突っ込まれて、答えに詰まる。

チョコを作るのに苦戦していたんです、

は、言いにくい。

職場では義理チョコは去年から廃止になってる。

「えっと・・・」

なんで嘘がすぐに思いつかないんだ。

困り果ててたら、
錦戸課長が遠くから、

「おい！
AA！
はよ来い！」

呼んでくれて、ホッとした。

いやいや。

ホッとしてる場合ではない。

また叱られるだけなんだから。

錦戸課長のところにすっ飛んでく。

叱られると思ってたのに。

錦戸課長、
私が来てから、
用事を考えてる雰囲気。

何なんだ。

「あの・・・
どういったご用件でしょうか？」

しばらく黙ってたけど。

「今から、新商品イベントの会場の下見と打ち合わせに行く。
Aもついて来い」

なんだか、苦し紛れに言い出したっぽいんだ。

いくら鈍感な私でも分かるし。

けど、そんなすごいおっきな仕事。

まだ2年目の私がついてってもいいの？

「はよ準備しろや」

急かされたけど、一体、何を持ってけば？

とりあえず名刺を取りに自分のデスクに戻ったら。

となりの席の莉菜が、
一瞬、冷たい目で私を見た。