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その後中島さんには連絡した。
返信が遅くなったお詫びもしつつ、楽しみにしていますと送信する。
彼からの返信には
じゃあ土曜に俺のうちでゆっくりしよう。
今度は私服で来てよ。
リラックスしてほしいし。
と書いてあった。
まぁそうなるよねと思いながら、何を着ていこうか考えていた。
土曜日を迎え、私は中島さんの住むマンションまでやってきた。
さすが、いいところに住んでいる。
緊張した面持ちで敷地内に足を踏み入れる。
コンシェルジュに自分の名前を言うと話が通っていたらしくすんなり部屋の前まで辿り着いた。
インターホンを押そうとゆっくり手を伸ばすと
ガチャ
と目の前で扉が空いた。
「こんにちは。コンシェルジュから中村サンが来たと教えてもらって」
と嬉しそうに話す。
私もこんにちは、と挨拶をする。
「来てくれてありがとう。上がって」
と彼は私を部屋へ迎え入れた。
「私服姿初めて見た。可愛い」
「あ、ありがとうございます」
一分の照れもなく言ってのける様は、女の子は褒めるべきという習慣が身に付いているようで、彼にとってはただの挨拶に違いないと思うのに、いざ面と向かって言われると照れてしまう。
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作者名:にこ | 作成日時:2021年9月25日 22時