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コーヒーを淹れ終わった中島さんがいつの間にか隣に立っていた。
「ここにあるのは中島さんの作品だったんですね」と言うと
「中村サンはどの作品がすき？」と聞いてくる。
「黒崎くんですかね。あ、でもラブホリにはかなりきゅんきゅんさせてもらいました」
と棚を眺めながら言うと
「中村サン」と呼びかけられた。
「もうそろそろ教えて欲しいんだけど、
中村サンは、セクラバじゃないの？」
そ、そうだったーー！すっかり忘れていた。
中島さんには未だにファンだと打ち明けていないということをすっかり忘れていた。
私、嘘ついたままだった。
風磨君にファンだと話したので、中島さんにもファンですと話したつもりでいたのだ。
またこのところその件について中島さんも何も言ってこなかったから、この話題自体忘れていたともいえる。
慌てて中島さんの方を向き
「ごめんなさい。そうなんです。私実はSexyZoneのこと好きで、ファンなんです。
違うと嘘ついててすみません」と謝る。
「そうなんだ、やっぱり」
中島さんは嬉しそうに言う。
「謝らないで。中村サンが俺らのこと好きでいてくれてめっちゃ嬉しい。
でもどうしてファンじゃないって言ったの？」
「店員の立場としては、ファンであることを隠した方がいいかなと思ったんです。ファンに接客されると中島さん気が張っちゃうんじゃないかって思ったので」
「あぁ、そういうことだったんだ。
えー全然いいのに。中村サンみたいに素敵な子がファンで、接客してくれるとかむしろ最高じゃん。
もっと早く教えてくれて良かったのに」
と笑いかけられた。
「俺何回か聞いたじゃん？ファンじゃないのって。
そういう感じはしてたんだよね。
あんまり嘘上手じゃないね、中村サン」
からかうように言われる。
「顔に出やすいんですかね。
でももう隠していることとかないです」
私もホッとして笑う。
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作者名：にこ
| 作成日時：2021年9月25日 22時
