81 ページ31
エンドロールが終わり画面が暗くなる。
んー、と手を前に伸ばし伸びをして「すごく面白かったです」と隣の中島さんの方を向くと、
一体いつからこちらを見ていたのか目が合った。
「それは良かった。中村サンはエンドロールまでしっかり見る人なんだね」と言われる。
「えっと、そうですね。いつも最後まで見ます。
たまにエンドロールのあとに、ちょこっとおまけみたいなのが流れることあるじゃないですか。
ああいうのも見逃したくなくて」
「あーたしかにあるね」と笑いながら言う。
「俺の好きなタイプはエンドロール最後まで見る子なんだ」
なんて適当もいいとこな事を言ってくる。
「えー、そんなタイプあります?」
と思わず笑ってしまう。
「だから中村サン、また今度一緒に見ようよ」
軽い冗談の延長のようにタイプだと言われ、そして流れるように次の約束。
「はい」
私も素直に頷く。
中島さんは立ち上がり伸びをしている。
「お茶にしようか。中村サンが持ってきてくれたお菓子開けよう。コーヒー淹れてくる」
「ありがとうございます」
ずっと座っていたので私もその場に立ち上がる。
「中島さん」
「ん?」キッチンから返事をしてくれる。
「その飾り棚見てもいいですか?」
「いいよ、自由に見て」
私は棚近づき飾ってあるDVDを眺めた。
ボニータが足元をうろうろしている。
飾ってあるのは彼が出演した作品や事務所の先輩の作品だった。
173人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にこ | 作成日時:2021年9月25日 22時