十四話 ページ16
……行ってしまった。
でもまあ、悪い人じゃなさそうだし。てかいい人そうだったし。
シブヤに来てみて良かった。よし、そろそろ俺も帰ろう。
___
「ただいま帰りましたー。」
………。
返事がない。左馬刻さんいないのかな。
「あ、おかえりなさいAさん。カシラなら、少し前に出かけやしたよ。」
事務所をうろうろしていると、舎弟さんの一人が声をかけてくれた。
「ああ、そうなんですね!教えて下さって有難う御座います。」
舎弟さん達、初めの頃は俺のこと怪訝な顔で見てたんだけどね。左馬刻さんを身を挺して守ったとなりゃ話は変わった様で。その日から優しくなってくれた。
嬉しいことよ。
でもそっか。左馬刻さん出かけてんのか。
なんか俺がやっておけることとかないかな。
…んー。料理は片手じゃちょっと無理だしな…。
と、悩んでいると
「何をそんなに考え込んでんだ。」
「わっ!左馬刻さん!お、おかえりなさい!」
左馬刻さんが帰ってきた。
「ンだよ。そんなビビることねぇだろ。」
「左馬刻さんが急に話しかけるから…。」
「まあいい。それより晩飯、今日は食いに行こうぜ。奢ってやんよ。」
「え、いいんですか?」
今日は気分が良いんだ、と早速身支度を始める左馬刻さん。
シノギが上手くいった、とか?
分かんないけど、まあいいか。
________
「おら、好きなん頼めや。」
連れて来られたのは、近所の居酒屋さん。
「凄い、どれも美味そうですね。」
「だろ?ここ、気に入ってんだよ。」
注文を済ませ、暫くすると料理が届く。
「お前、酒は飲めねぇのか?」
ウーロン茶を頼んだ俺に、左馬刻さんが尋ねる。
「ああ、はい。好きなんですが、あんまし強くないんです。飲んだら多分すぐ酔っちゃって、迷惑かけちゃうんで。」
「ふぅん。」
「左馬刻さんはお酒強いんですか?」
「まあ、そうだな。」
____
ここに来てから割と時間が経った。
左馬刻さんは少し酔ってきたのか、よく喋るようにってきた。
「前から思ってたけどよ、結構食うんだなお前。」
「そうですね。俺食べるの好きなんですよ。」
「そのわりに、太ってはねぇな。」
「動くのも好きなんです。」
「健康そのものだな。」
そう言ってふっと笑う。
「そ、そうですね。」
ええ…。美人すぎだろ。思わず動揺したわ。
それからも暫く飲み続け、帰る頃にはもう辺りは静まり返っていた。
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kabi89639329(プロフ) - ムニエルさん» そうですね!お話を全部読み返してみると他のディビジョンもちょいちょい漢字になっていたので、気づけた限りでですが直しておきました!ご指摘有難う御座いました。 (2020年11月11日 22時) (レス) id: 4fbf6d1bb1 (このIDを非表示/違反報告)
ムニエル(プロフ) - 横浜じゃなくてヨコハマだと思いますよ〜漢字ではなく全てカタカナだったかと思います (2020年11月11日 21時) (レス) id: f8f9255459 (このIDを非表示/違反報告)
kabi89639329(プロフ) - レイさん» 本当ですね!!直しておきました。ご指摘して下さって、有難う御座いました!! (2020年10月28日 17時) (レス) id: 4fbf6d1bb1 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - こんにちは!プロローグの発泡というところですが、発砲だと思います。 (2020年10月28日 11時) (レス) id: a6221f0838 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沙悟浄 | 作成日時:2020年8月9日 15時