枕デビュー 終幕 ページ14
＊談話室＊
｢...で、なんだこれ...えええなんだこれ...｣
あの後、寝ている密さんをどうにかしようとした誉さんがうっかり背後に立ってしまい、警戒心MAXで目覚めた密さんを連れてなんやかんやで...本当に、流れとしか言いようがないんだけど何故か談話室に辿り着いた。
いやだって、この寮ベッドに行くためにはしご上がらなきゃいけないじゃん...
でもだからって
だからってこんな...
｢野郎が野郎に膝枕......｣
｢...すぅすぅ｣
｢手のかかる子だと思って諦めたまえ。それより、ワタシが子守唄を唄ってあげようか？｣
｢いやいやもう寝てますし俺も寝ないし！誰か来たらどうするんですかこれ｣
｢よくある光景だよ。皆見慣れているさ｣
｢この劇団大丈夫かほんとに...！？｣
｢A、アリス、うるさい...｣
｢す、すみません｣
｢密くんはよほどキミの膝が気に入ったようだね。なかなか離れないじゃないか♪｣
｢...Aの膝、きもちいい。もちふわ｣
｢えっ密さん、それ俺の肉付きがいいからとかじゃないですよね？｣
｢......すぅ...｣
｢ひ、密さーーん...？｣
｢...ふむ、キミは心の安らぐ香りがするから、それも彼を安眠に導く材料のひとつになっているのだろうね｣
｢冷静に分析しないでくださいよ｣
いつの間にか隣に座っていた誉さんが顎に手を当てて真剣に考えていた。くっ、無駄にいい顔をしていらっしゃる。
｢...ふぁ、ワタシまで眠くなってきたよ...このままスリーピングへ誘うフェアリー達の囁きに身を...委ねよう...｣
｢寝る直前までよく喋るな全く...｣
...でも！！！
寝るなら！
俺の！
肩以外で―――！！！
｢あっ、足痺れてきた...だ、誰か...帰ってきて...｣
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作者名：プッチン | 作成日時：2017年5月8日 0時
