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枕デビュー ページ12

*205号室、午後*


「あぁ、キミの演奏は情熱的かつ優美だね。胸を熱くさせる...詩興が今にも溢れてき「いいい今言わなくていいです!ほら、本!次の本の為に暖めておいて!是非!!」


芸術について語り合おう的なニュアンスの事を言われ部屋に招待されたと思ったらこれだ...


思ったより律儀に感想を言ってくれて正直嬉しい。嬉しいけど詩が始まると俺のレベルでは着いていけねぇ!


「もー...ついてくの大変なんで話題変えますけど、有栖川さんの部屋って豪華というかお洒落ですね。御影さん側のモノトーンも好きですけど」


「そうだろう?やはりAくんは確かな審美眼を持っている...それと、誉と呼んでくれていいよ」


「え?」


「この前本屋で見かけたのだ。心の距離を近付けるにはまず互いの名前を呼び合うと良いとね。さぁさぁ呼びたまえ遠慮せずに!この天才の真名を!」


なんかキラキラした目で迫ってくる有栖川さんは楽しそうだがこの感じ、なんだか覚えがある......!

......


『〇〇さんよろしくー!!』


『やだー!タメでいいよー!アタシも〇〇ちゃんって呼んでいい?』


『全然いいよー!...』


......ああこれは、アレだ。中学生の頃...クラス替えの後の......



「女子か!!!!」


「!?ワタシはれっきとした日本男児だが...?」


「年甲斐もなく楽しそうにキャッキャしやがって...ウフフするぞコラ... 」


「どどどうしたのだねAくん、不穏なオーラがオーバーフローしているよ」


あれ、珍しく不安そうにしてる...?気のせいか?


「...はぁーー.........取り乱しました。えっと.....誉さん」


「!!」


いやいや何で花が咲いたように嬉しそうに笑ってるんだろうかこの人...


そう思って口を開こうとしたその時

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作者名:プッチン | 作成日時:2017年5月8日 0時

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