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先輩は、私を人気のない場所に
連れてきて、ベンチに座らせた。
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廉「....ほんまは、もっとちゃんと渡したかってんけど。」
そういうと、先輩はカバンから
小さな箱を取り出した。
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廉「........俺、ホンマにAちゃんが好きやで？.....」
廉「確かに、Aちゃんが初めての彼女やない.......」
廉「けど、今の彼女は、Aちゃんやし、この先ずっと一緒におりたいって思うんも、Aちゃん。」
廉「これからも、俺の一言で不安にさせることもあると思う。」
廉「そんなときは、すぐに俺に言ってほしい。何でも話すし、何でも答える。」
廉「........不安にさせんくらい、大事にする。」
廉「......せやから.....」
先輩は、小さな箱を開け、
私の方に向ける。
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廉「卒業したら、結婚しよ？」
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え..........
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廉「...........あかん....？」
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だめなわけがない。
それなのに、素直になれないのは
なぜだろう......
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なんの反応もしない、私に、
廉「.........わかった。」
先輩は箱を閉じ、カバンの中にしまう。
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廉「ちょっと、強引過ぎた。」
廉「.......ごめんな？」
先輩は一つも悪くないのに......
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廉「じゃぁ俺、待ってるわ。」
『え？』
廉「Aちゃんが、不安じゃなくなるまで。」
そういうと、私の頬に
触れるか触れないかくらいの
リップ音を鳴らし、笑顔を見せた。
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その後の先輩は、何事もなかったように
普通に接してくれた。
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そして、夕方、マンションまで
送ってくれて、バイバイ。と
手を振り、帰っていった。
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ガチャと玄関の扉を開ける。
玄関に、海人の靴を見つけ、
私は、無意識に、海人の部屋の扉を
ノックした。
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中から海人の声。
私はたまらず、扉を開けて、
ベッドに座っていた海人に飛びついた。
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海人「わっ！ど、どうしたの！？」
『.....私........わかんないよ.......』
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海人はそれ以上何も聞かず、
子どもを慰めるように、背中を
トントンと叩いてくれた。
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ゆいりちゃん(プロフ) - Mayuさん» 愛して下さり、ありがとうございます。とても嬉しく思います！ (2020年10月1日 20時) (
レス) id: 75fcb1c43d (このIDを非表示/違反報告)
Mayu - このお話、本当に最高で、一気に最後まで読めました！この作品、本当に大好きになりました！！ (2020年10月1日 13時) (レス) id: 67fa9efd8d (このIDを非表示/違反報告)
ゆいりちゃん(プロフ) - しおりさん» ご指摘、ありがとうございました！ (2020年10月1日 9時) (レス) id: 75fcb1c43d (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - リンク押したらシーグラスの１話？に飛びましたよ。 (2020年10月1日 0時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - ゆいりちゃんさん» 次の作品も楽しみにしてます。笑 (2020年9月30日 21時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆいりちゃん | 作成日時：2020年9月25日 11時
