邪魔なプライド ページ30
太輔｢…団扇、見たよ。｣
私｢…。｣
太輔｢…。｣
私｢…。｣
太輔｢遅かったって思った。｣
私｢…。｣
太輔｢これ以上、振り回せねぇって…。｣
私｢…。｣
太輔｢…。｣
私｢…。｣
太輔｢…もう無理だって思うしかなかった。｣
私｢…。｣
太輔｢…。｣
私｢…。｣
太輔｢けど、ダメだった。｣
私｢…。｣
太輔｢…俺、どうしても諦められなかった。｣
私｢…。｣
太輔｢…。｣
私｢…。｣
太輔｢仕事帰りに『クリスマスケーキ予約開始』って貼り紙見つけて、すぐ予約したんだ。｣
私｢…。｣
太輔｢Aに逢いにいく理由が欲しかった。｣
私｢…。｣
太輔｢…。｣
私｢…。｣
太輔｢自分勝手だよな。｣
私｢…。｣
太輔｢最低だって分かってる。｣
私｢…。｣
太輔｢…。｣
私｢…。｣
太輔｢でも、やっぱりAじゃねぇとダメだ。｣
私｢…。｣
太輔｢…。｣
私｢…。｣
太輔｢また、俺のこと見てもらえるように頑張りたい。｣
私｢…。｣
太輔｢時間、どれだけかかっても。｣
私｢…。｣
太輔｢Aが俺のこと信じてくれるまで待たせてほしい。｣
私｢…。｣
太輔｢…。｣
私｢…。｣
太輔｢今度は、俺がAのこと追っかけるから。｣
私｢…。｣
太輔｢だから、逃げないで。｣
私｢…。｣
私｢…。｣
太輔｢…。｣
私｢…。｣
太輔｢俺が掴まえられる距離にいて…。｣
プライドだけが邪魔をする
何度も何度も
踏みにじられたプライド
その度に
大丈夫
まだ大丈夫だと
継ぎ接ぎに
継ぎ接ぎを重ねてきたプライドが
私の心の盾となり
辛い記憶を
二度と思い起すまいと
必死で自身を守ろうとする
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作者名：kaanaa
| 作成日時：2014年11月30日 23時
