飴と鞭とツンとデレ ページ44
たくさん泣いたせいで
目の周りの腫れと頭痛に見舞われ
取るに取れない脱力感から
無駄な一日を過ごし
リセットを試みた深夜12時
眠気が襲ってくることもなく
ただソファーに座って
坊さんの如く
無の境地に足を踏み入れたところで
部屋のインターホンが鳴った
何せ無だったもんで
こんな夜中の訪問者に特に警戒もせず
それが誰とも考えず
無防備にも部屋の扉を開いたら
見る見るうちに眉間にシワが寄っていく太輔が
ずいっと玄関に入ってきて
開口一番
太輔「俺じゃなかったらどうすんの?」
私「え...?あ、お疲れ様。」
太輔「お疲れ様じゃなくて、警戒心なさすぎ。」
私「...あ...。」
太輔「ちゃんとインターホンで確認しろよ。」
私「...そうでした。」
シュンとなる私の頭を
ポンポンと軽く二度触れて
今度はとびきり優しく
太輔「おとなしくしてた?」
この飴と鞭...
ツンとデレ...
もうやめて...
これ以上私を甘えさせないで...
私「どうしたの?こんな夜中に。何か用だった?」
俯きながら可愛げもなく言い放つ私に
きっと
目の前の太輔は驚いていて
太輔「...朝バタバタしてたから、体調気になって。」
私「もう大丈夫。昨日はごめんね。」
太輔「...A?」
私「太輔も寝れなかったんじゃない?もう帰って?明日も早いんでしょ?」
あきらかにおかしな態度を見せてしまったのは
感情を押し殺すことのできない私の不甲斐なさ
こんなんじゃ
太輔がおかしく思うのも無理はないはずで
太輔「こっち見ろよ。」
再び
鞭でツンの太輔到来
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作者名:kaanaa | 作成日時:2013年3月25日 0時