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将来のビジョン ページ5

金木犀の香り漂う秋の夕暮れ



生まれ育った街の風景を横目に



イヤホンでお気に入りの曲を聴きながら



気の知れた友人宅に向かっている途中

 

 

 

 

ポンッ...と背後から



私の頭に触れる温かくて大きな手

 

 

 

 

振り向くとそこには



大好きな太輔

 

 

 

 

太輔「ずっと呼んでたのに...。」



私「あ...ごめ...音楽聴いてた。」



太輔「何の曲?」



私「聴く?」



太輔「ん、聴く。」

 

 

 

 

両耳にあてたイヤホンを渡したら

 

 

 

 

太輔「片方ずつ。」

 

 

 

 

そう言った太輔が



自分の右耳だけにイヤホンをあてて



残ったもう一つのイヤホンを



私の左耳にあてた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舗道に長く伸びる影法師



イヤホンが外れないように



縮まる2人の距離は



中学卒業後



高校、大学と



別々の道を選んだ私たちの



心と連動してくれているような



そんなシルエットだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま寄り添ったまま



溜まり場化している友人、小澤邸に向かった私たち

 

 

 

 

中学を卒業して5年



未だに月一度開かれる内輪だけのプチ同窓会



もうすぐ大学3年生



そろそろ将来を見据えないといけない時期に差しかかってきた私たちの今日のお題は

 

 

 

 

将来のビジョンについて

 

 

 

 

お酒を飲みながらの討論は



時に白熱したり



いきすぎた発言をする者もちらほら...

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作者名:kaanaa | 作成日時:2013年3月25日 0時

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