少しだけ強引な腕 ページ26
私｢あの...私...
太輔｢何やってんの？｣
私｢え？｣
太輔｢いつまでそうしてんの？｣
玉森さんの腕の中のこの現状
慌てて玉森さんの腕をすり抜けて
私｢酔っ払った人に話しかけられて、玉森さんに助けてもらって...。｣
太輔｢フラフラするからだろ？｣
私｢え？...私、フラフラしてたわけじゃない...。」
太輔｢一人で歩くからそういうことになるんだろ？｣
私｢だって...
玉森｢ガヤだって悪いんじゃない？｣
太輔｢は？何で？｣
玉森｢Aちゃん、ずっと一人だったの気付いてた？｣
太輔｢...。｣
玉森｢Aちゃん帰るんだよね？｣
私｢うん...そろそろ帰ろうかと思って...。」
玉森｢タクシー呼ぶよ。｣
太輔｢タマ、いいよ。俺呼ぶから。｣
玉森｢いいよ。ガヤは席に戻って？行こ、Aちゃん。｣
穏やかな口調には変わりない玉森さんが
私の腕を少しだけ強引に引っ張って
振り返って
機嫌の収まらない太輔に
私｢今日はありがとう。迷惑かけてごめんね。｣
早口でそう伝えると
太輔｢あぁ...。｣
何か言いたげな太輔を残して
クラブの外へと出た
玉森さんの呼んでくれたタクシーは
ほどなくして到着し
私｢今日はありがとうございました。気遣ってもらって申し訳なかったです。｣
玉森｢また敬語だよ？｣
私｢...ホントだ(笑)。｣
玉森｢楽しかった？｣
私｢玉森さんのお陰で。｣
玉森｢よかった。...またね。｣
私｢また...。｣
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作者名：kaanaa
| 作成日時：2013年3月25日 0時
