壁に耳あり ページ12
太輔｢そうか？｣
私｢うん。着いたらインターホン鳴らせばいいのかな？｣
太輔｢おじさんとおばさん出掛けてるみたいだから、玄関の鍵開けとくから勝手に入って来いってさ。｣
私｢了解。｣
太輔｢じゃ、待ってるな？気をつけて来いよ？｣
そういえば地元で太輔に会うのは久しぶりで
気の知れた仲間と飲んで、騒いで
きっと今日の太輔はいつもより開放的？
無邪気な自然体の太輔に会えるんじゃないかな？
そう心躍らせながら
小さく｢お邪魔しま〜す。｣と言いながら
指示通り小澤邸の玄関を開き
2階に通じる階段を上ると
部屋の中からは
何やら大きな笑い声や楽しそうな話し声
部屋に近付きながら
その声に耳を傾けていると
小澤｢太輔さぁ、中学の時友里と噂あったよな？｣
太輔｢何だよ、いきなり(笑)。｣
小澤｢いやさ、この前偶然友里に会って、太輔のこと聞かれたからさ。｣
友人1｢何聞かれたの？｣
小澤｢最近太輔に会ってるかとか...何かいろいろ。｣
友人1｢付き合ってたんだっけ？｣
太輔｢いや、付き合ってはねぇけど。｣
小澤｢両想いだったんだよな？｣
太輔｢そうだったか？｣
友人1｢何で付き合わなかったの？友里すげー可愛いかったじゃん。｣
小澤｢しょうがねーよ。あれだよ、あれ。｣
友人1｢あれ？あれって何？｣
小澤｢ほら、Aの...。｣
友人1｢あー‼それでか‼｣
太輔「いや、別にそういうわけじゃねぇよ？｣
小澤｢だって、あん時からAに付きっきりじゃなかったっけ？｣
友人1｢未だにだけどな(笑)。｣
小澤｢それで何となく友里とは...みたいな感じじゃなかったっけ？｣
太輔｢...仕方ねぇよ。俺、責任取んなきゃいけねぇし。｣
友人1｢そんな深く考えることねーんじゃん？｣
小澤｢俺もそう思うけど。｣
太輔｢でも...何となくな。｣
小澤｢友里、会いたがってたぞ？｣
太輔｢そっか。｣
友人1｢今から呼んだら？｣
小澤｢お、電話してみるか。｣
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作者名：kaanaa
| 作成日時：2013年3月25日 0時
