それはまるで魔法のように【３】 (ページ19)

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＊悪魔＊ページ19

清水 side

今まで、Aさんのカッコイイ部分しか見た事がなくて、目の前で泣きじゃくっている姿を見たら、途端に擁護感が湧いていた俺。やっぱり女性には頼って欲しいとか、自分が守りたいとか思うんだ。俺、ちゃんと男だ。と実感。

64「＂俺もAのこと、好きやで＂って。カップルのケンカ後みたいなやりとり」

12「遥輝さんもAのこと好きなんですか？」

7「も。ってなんやねん」

Aは慎吾と同類の可愛い後輩兼妹。それ以上でもそれ以下でもないわ。と自分の席に戻る遥輝さん。よかった、遥輝さんもAさんの事、好きじゃなくて。ただでさえ強敵揃いなのに。

7「あいつの事、好きなやつなんて、めっちゃいるやろ」

15「でしょうね。あれはモテますもん」

ガラガラっとまた音がして、戻りましたー。とAさんの声。手にスヌーピーの手提げを持って、さっきまで座ってた場所と逆の遥輝さんのところへ足を進める。

手提げの中から、小さな一口サイズクリームパンを取り出して、遥輝さん。これあげます。と遥輝さんの口元に運ぶ。ん？ありがとう。とパクッと食べたのを見て急いで自分の席に戻るAさん。

7「A！！お前、何してくれとんねん！！」

『これでギー太のフィルムとチャラですよ』

何か悪戯したAさん。何したん？と卓さんが隣に戻ってきたAさんに聞けば、クリーム全部出してワサビ。詰め込みました。と

30「こんな短時間で仕込めるもんなの」

『手渡したらバレると思ったんで、直接口に放り込みました』

7「本当、鬼やな！悪魔やな！」

『うちの家訓が、やられたらやり返せ。なので』

7「そんな家訓あるか！」

私もパン食べよ。と机の上に４、５個のパンを手提げから出す。今日も食べてなかったの？と鍵さんが聞くと、はい。と答えるAさん。

9「何で言わんの。ご飯連れてったのに」

『病院でもらったパンを先に食べないと悪くなっちゃうじゃないですか』

メロンパンを一口頬張る。一口がでかい。瑞輝が、それ全部食べるんですか？と聞けば、もちろん。と。

『みーくんも食べる？』

34「いや、俺はさっき納会で食べたので大丈夫です」

10「みーくん！？」

68「俺は何て呼ばれるんですか？」

『うーん……亮かな』

12「こいつは？」

『上沢』

15「まじ慎吾恨むわ。瑞輝、騙されたらダメだから。あの人、チビのくせにめちゃくちゃ食べるんだから。」

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