* 明 日 の 予 定 * ページ20
You side
『朝から何も食べてないんだもん。摂取カロリー的にオーバーしてないからええの』
搬送先でもらった少し湿気ったメロンパン。口一杯に食べ物を詰め込んで食べるのが幸せやから。上沢がみーくんに何か吹き込んでても言い返せない。
68「Aさん、リスみたい」
64「ポリーやん」
ポリーって何ですか?と隣の陽平さんに視線を送ると、日ハムのリスの女の子のマスコットだよ。と教えてくれる。あ、ここの部分、めっちゃ固い。
30「Aちゃん、明日はどうするの?」
『明日ですか?』
9「大将から聞いてないと?」
さすがに納会のためだけはあれやから。って明日は大将と俺と北海道おもてなし旅行の予定やけど。と予想してなかった予定にビックリして思わず口の中のパンを一気に飲み込む。
『本当ですか!?どこですか』
9「登別行こうかって」
『やった!温泉旅行ーー』
と喜んでいるのも束の間。職場からの電話。何やろう?と思い、席を外し電話に出ると、後輩の情けない声。
《Aさん、助けてくださいー》
『どうしたん?』
《テレビ、ニュース見てください》
部屋に戻って、テレビ付けていいですか?と許可を取り、ニュースをやってるチャンネルに合わせる。すると、私の勤務している署の受け持ち区域で、工場の爆発火災が有ったとのニュース。
『景気良く燃えてるなあ』
《んな、呑気な!俺が速報作らなきゃなんで、少し手伝ってくださいよお》
『えー、旅行中やからなあ』
近くにいた剛に、紙とペンちょうだいと言うと、鉛筆とメモ帳を渡され、電波の良い窓際に移る。
『あの工場って危険物扱っとる工場やろ?そしたら調査の速報と危険物の速報作らないあかんねん。OK』
《OKっす》
『待て、メモりながら私の話聞いてる?』
《いえ》
『いえ、ちゃうわ。絶対忘れるからメモれ。絶対。これ命令や。ほんで、その工場の図面とかの簿冊を書庫から引っ張り出してきて、速報に必要な情報とかを入力。あ、同意の簿冊と危険物の許可の簿冊は違うから気を付けないとあかんで。』
《はい。それで危険物の品名とかそうゆうのって何ですか?》
『乙4持ってない?』
《はい》
『……消防法に定められとる危険物だけ説明すんで?法別表第一に定められとる物質を危険物って言うんやけど、そこから性質によって乙1から乙6まで分かれてんねん』
.
272人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:歌子(かこ) | 作者ホームページ:https://bit.ly/35Iex9O
作成日時:2018年8月10日 11時