＊ ほ っ ぺ た ＊ ページ13
清水 side
10「あ！Aさん！」
『え？あ、優心くん』
Aさんのミニライブのあと、大浴場に行ってお風呂上がり。１人で旅館の廊下を歩いていると、Aさんの後ろ姿。少し小走りして声をかけてみる。
10「Aさんもこの旅館に泊まるんですか？」
『うん、そうなの。翔さんと卓さんがね取ってくれたの』
だからみんなと泊まるところ一緒やねん。最初こんなにええ旅館でビックリしたわぁ。とヘラっと笑う。可愛い。
10「何階ですか？」
『８階』
10「俺らの部屋と一緒です」
『何人か一緒なの？』
10「はい、旅館に着いた時にくじで決まったんですよ。」
なおさんと亮さんと瑞輝と俺の４人部屋なんです。と話していると廊下の突き当たりにあるエレベーターに乗る。８階のボタンを押して、閉ボタンを押せばそこは、密室。めっちゃ緊張する。
10「あ、なおさんって言うのは、背番号１５番の上沢直之選手、亮さんは背番号６８番の石川亮選手、瑞輝は背番号３４番の堀瑞輝のことです」
『上沢は知ってる！石川選手と堀選手はわからないなあ。』
勉強せなね。とAさんが携帯で選手を調べようとするのを遮るように、あ、そしたら部屋来ます？紹介しますよ！と少し上擦った声で提案してみる。
『そう？うーん、でも私、部外者やし。あんまり良くないんやない？そういうの』
10「部屋の人に確認してみますよ。たぶんみんな大歓迎だと思います」
エレベーターからの、８階です。というアナウンスを聞けば扉が開く。一緒にエレベーターを降りる。何号室なん？とAさんに聞かれれば、８０３号室です。と答える。
『私、８０９号室やねん。逆やね』
私、この後、お風呂はいってくるから、結果、LINE頂戴？と携帯を見せる。あれ？お風呂まだだったんですか？と聞けば、ちょっとだけ外に出ててん。
10「うわ！冷た！！」
『優心くん、お風呂上がりやから、温かいね』
少し背伸びしながら、冷えた手で俺のほっぺを挟み込む。Aさんの手は女の子らしく小さいけれど、少し荒れてて豆も沢山あって、仕事をしている人の手。だった。
『お肌スベスベでモチモチ』
私もお風呂入って、スベスベのモチモチにしてこよーっと。ほな、また後でね？と去っていくAさんの後ろ姿を見送る。
64「優心くん、どうしたん？ボーッとして」
10「あ、いや。何でもないです。部屋に戻ります」
64「ふーん」
.
＊ フ ィ ル ム ＊→←＊ コ ー ヒ ー ・ ル ン バ ＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 272人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：歌子(かこ) | 作者ホームページ：https://bit.ly/35Iex9O
作成日時：2018年8月10日 11時
