* ア ル コ ー ル * ページ15
谷口 side
風呂上がり。何人か集まってうちの部屋で飲むことになっていたから、売店に寄って何か買って行こうと思ったら、先客が。
64「朝比奈Aちゃん?」
近くに寄って声をかけてみると、Aちゃんもお風呂上がりなのか、ホカホカしていて。旅館に備え付けの同じシャンプー使っているはずなのに俺とは違ういい匂い。
『こんばんは、初めまして。谷口雄也選手ですよね?』
64「そうそう。谷口雄也です」
先程は急に振ってすみませんでした。と申し訳なさそうに言う。大丈夫、楽しかったし。むしろ俺のこと知っててビックリしたわ。と言うと、パアッと明るい顔になる。
『最近、日ハムの選手の方とお会いする機会が多くて、1人でも多く覚えたいなと思いまして。サイト見ていたら、谷口さんが、その可愛くて。真っ先に覚えちゃいました』
64「そおなん?それはありがとう」
私の勝手な予想で華奢な方なのかなと思ってましたけど、やっぱり野球選手やから、身体大きいですね。と何かを物色し始めるAちゃん。自由だ。
『慎吾と遥輝さんと同じで外野守ってるんですよね?』
それだけは知ってるんですよ。どやーっと言うAちゃん。他にも色々あんねんで?まあいっかと思い、そうだよ。と言うと、合っていたことに満足したのか嬉しそう。
『この後、優心くん達と部屋飲みの約束してるんですけど、谷口さんも一緒なんですよね?』
64「そうそう、なんやAちゃんも一緒なんやね」
『誘っていただいたのでお言葉に甘えました』
で、今、何か買って行ったほうが良いのかな?と思ってたんですけど、どうですか?と。別に何もいらんと思うよ。きっと事前に買い込んでいるやろうから。と返答。
『日本酒か焼酎、ありますかね?』
64「…え?」
あ、うん。たぶんあると思うよ。と言うと、なら何にも買わなくていいや。あ、アイスだけ買って行こ。とアイスコーナーに行く。
64「女の子ってカクテルとか好きなんちゃうの?」
『アルコールが甘いとかあり得ないですね』
谷口さんもアイス食べます?と当たり前かの様に聞いてくるから、じゃあAちゃんと同じやつ。と答える。あと二日酔い対策でオレンジジュースとスポドリとお菓子のラムネも買っていきましょ。と若干意味のわからない商品を選択してレジに向かう。
64「俺出すから」
『ダメですよ。ほぼ私の物ですし』
64「いいの。カッコつけさせて」
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作者名:歌子(かこ) | 作者ホームページ:https://bit.ly/35Iex9O
作成日時:2018年8月10日 11時