◆【回顧録】贖罪の悪夢�□� ページ36
『可哀想になぁ。
お前らの祖国は、まだ15にも満たないこんなクソガキを前線に送るろくでもない国ってわけだ』
『ええっと、なんだっけな。
士官学校早期卒業だっけ？
はっ！んなもん、戦力不足が深刻化して、徴兵の対象年齢を下げたんだろうがよ。ついてねぇなお前ら…もうちょい先の時代に生まれてりゃ、戦争が終結してたのによ』
『はは、まぁあとに生まれようが、国自体が隷l属化しちまってるから意味ねぇけどな』
『違いねぇな！』
『良かったなあ、俺たちに敗戦して！
おかげで"こんなに使ってもらえる"んだもんな』
男達の下品な笑い声が、薄暗い部屋に反響して頭に嫌でも響く。
ああ、痛い。
苦しい、辛い、苦い、寒い───悔しい。
あまりの屈辱と慙愧の念に、きつく噛んだ下唇が、プツリと切れて赤い1本の筋を作っていく。
床に押さえつけられた頭を、なけなしの力で僅かに動かし、前を見る。
見たくもない光景に、涙が止まらない。
「…っ、は─────ｯ……ッあﾞ…！」
「……た、い、ちょ……」
「……！あ……。」
一瞬、虚ろな目が光を取り戻す。
掠れた声で返事をし、こちらに気づくと、あの人は苦悶の顔を緩めて、無理に笑ってみせる。
美しく儚い笑顔。
それが痛々しくて。喉から声にならない空気音が情けなく漏れる。
そんな俺の様子に、あの人は。
「…だい、じょう、ぶ……大丈夫だから…
きみを、ぜったいに、守ったげる」
.
「───────Aくん」
瞬間、世界は瞬く間に姿を変えた。
黒い闇が全てを覆うように。
まるで夜の帳が下りるように。
それは、贖罪。
俺が償うべき罪。
ああ、どうかどうか。
赦してなどは言わないから。
貴方の為に生きることで、償わせて欲しい。
かつて貴方が、
俺の為に、そうあったように。
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はざくら(プロフ) - とても文が綺麗で大好きです！ (2019年10月13日 10時) (
レス) id: 86be810755 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 楽しみにしてます！！ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 周りに同志がいなかったのもで…ちょくちょくコメントします。本当に絵が好きすぎなので。 (2019年4月9日 20時) (レス) id: 0510066ef5 (このIDを非表示/違反報告)
十五夜草(プロフ) - 夜さん» 某サイトも見て下さり、ありがとうございます。絵の方は、かなり捏造多めですが、見て下さり嬉しいです！励みになります ！私も白最推しなので、同志が居て下さり心強いです:-)笑 (2019年4月7日 14時) (レス) id: 82b1fa153c (このIDを非表示/違反報告)
十五夜草(プロフ) - ルーカスさん» 読みやすいとのお言葉、嬉しいです…！はい、ご期待に添えるよう、精進して参ります :-) (2019年4月7日 14時) (レス) id: 82b1fa153c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五夜草 | 作成日時：2019年2月22日 12時
