◆【回顧録】贖罪の悪夢�、� ページ35
＊
────？
深い、深い、夢の中。
沼に足を取られて、身動きが取れない。
嫌だ、思い出したくもないものを"また"思い出してしまう。
あぁ、痛い。
痛い、痛い、痛い。
内臓が抉り出されるほどの痛み。
頭が揺さぶられ、気持ち悪くて。
でも吐くこともできない──胃にはろくに入っていないから。
鮮烈な痛みが身体中を蝕み、心臓は壊れるんじゃないかと思うほどに忙しなく脈打つ。
ただ、それは血を流すことも傷を生むこともない。
そうだ。物理的に痛いのではない。
でも…今思えばそちらの方が、どれだけましか。
そう思ってしまうほどに、痛くて。泣きたくて。
こんな地獄を味わうくらいなら、
こんな拷問を受けるくらいなら、
いっそひと思いに殺して欲しかった。
"こんな光景"を、延々と見せつけられるのなら………。
「やめ…ｯやめろ！やめろよ！い、やだｯ！
なんで、なんでだよ…！約束と違うじゃないか…！！ふざけんなよ…ｯ！くそｯ…！！」
喉から血が出るほど叫ぶ。
肺を痛めてしまったのか、酷く鉄の味がして、脳は酸欠になったのか、くらくらと視界が歪む。
それでも、叫ばずにはいられなかった。
だって────
「っ……！────ｯｯ！！」
『ほら、喜べよ。
お前らみたいな奴らを使ってやってんだ。
感謝すべきじゃないか？──なあ』
「…っ、ぅ、…は、い……」
『ハハハッ！だとよ、クソガキ、
お前のだーいすきな"コイツ"は嬉しいんだとよ…！』
「っ！！それはお前らが無理やり言わせて…ッ！」
『……あ？上官に向かって"お前"だと？
口がなってないなあ。何度言ったらわかるんだよ、この出来損ないは…！』
瞬間、頭を踏みつけられる。
咄嗟に身を守るように縮こまり頭を抱えるが、その抵抗も虚しく、じきに足が腹を蹴りあげてくる。
ごつり、と骨の軋む不快な音と、内蔵を急激に圧迫される気持ち悪さに、思わずえずく。
「…っあﾞ、かはっ……！」
『お前よォ…生意気なんだよ。
所詮ガキは何の役にも立たねぇのな。
聞くところ、お前"学徒兵"らしいじゃん。
そりゃあ使えねーわけだわ』
先程腹を蹴った男が、気怠げに愚痴を垂れる。
周りを囲うように立つ他の三十代半ばの男達も、苦しげに顔を歪ます俺と"あの人"を見てにやにやと笑う。
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はざくら(プロフ) - とても文が綺麗で大好きです！ (2019年10月13日 10時) (
レス) id: 86be810755 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 楽しみにしてます！！ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 周りに同志がいなかったのもで…ちょくちょくコメントします。本当に絵が好きすぎなので。 (2019年4月9日 20時) (レス) id: 0510066ef5 (このIDを非表示/違反報告)
十五夜草(プロフ) - 夜さん» 某サイトも見て下さり、ありがとうございます。絵の方は、かなり捏造多めですが、見て下さり嬉しいです！励みになります ！私も白最推しなので、同志が居て下さり心強いです:-)笑 (2019年4月7日 14時) (レス) id: 82b1fa153c (このIDを非表示/違反報告)
十五夜草(プロフ) - ルーカスさん» 読みやすいとのお言葉、嬉しいです…！はい、ご期待に添えるよう、精進して参ります :-) (2019年4月7日 14時) (レス) id: 82b1fa153c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五夜草 | 作成日時：2019年2月22日 12時
