◇20.多福�� ページ30
やはり少しばかり腑に落ちない。
そういった表情を滲ませながらも、ひとらんらんの心遣いと忠告を無下にするわけにもいかない。
Aは年相応の拗ねたような顔をしながら、一呼吸置くと、先程から震え上がって硬直している下士官に目をやる。
こう見ると、かなり不思議な状況であるが。
「…で、要件とはなんだ。手短に話せ」
「はっ…！
その、南部に派遣した1師団ですが…近辺で武力衝突があったようで…。報告によると、他国家勢力ではなく、反政府組織の右翼勢力かと思われます。
少々手強いようで、援軍を要請してきております。
…その事で旭陸軍大将の判断を仰ぎたく…。」
未だ焦燥に額に汗を浮かばせながら、やや早口で大男が報告する。
それに対しても、Aは不機嫌なまま小さくため息を漏らす。が、今回は別に目の前の男に非があった訳ではなく、ただ単に、今他所で戦力を削ぐわけにもいかず、手一杯である状況に頭を悩ませたからだ。
(…さて、どうするべきか)
しかも現在自分は謹慎中の身である。
その代理人を立ててはいるのだが…どうやら一応Aの判断を仰いだ上で、代理に報告、実行…という流れを想定しているらしい。
そんな中、ひとらんらんは小さく口を開く。
「じゃあさ…
(…………………。)
「「……えっ」」
願ってもない、それはとてもありがたい事なのだが…
本隊の兵力を送ることを、いとも簡単に判断したひとらんらんに対して、当の陸軍人のふたりは驚きに開いた口が塞がらなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はざくら(プロフ) - とても文が綺麗で大好きです！ (2019年10月13日 10時) (
レス) id: 86be810755 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 楽しみにしてます！！ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 周りに同志がいなかったのもで…ちょくちょくコメントします。本当に絵が好きすぎなので。 (2019年4月9日 20時) (レス) id: 0510066ef5 (このIDを非表示/違反報告)
十五夜草(プロフ) - 夜さん» 某サイトも見て下さり、ありがとうございます。絵の方は、かなり捏造多めですが、見て下さり嬉しいです！励みになります ！私も白最推しなので、同志が居て下さり心強いです:-)笑 (2019年4月7日 14時) (レス) id: 82b1fa153c (このIDを非表示/違反報告)
十五夜草(プロフ) - ルーカスさん» 読みやすいとのお言葉、嬉しいです…！はい、ご期待に添えるよう、精進して参ります :-) (2019年4月7日 14時) (レス) id: 82b1fa153c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：十五夜草 | 作成日時：2019年2月22日 12時
