I LOVE...【恋つづ/天堂浬】

19 魔王はお子様 ページ19

「君も天堂君について何かないの？」

「天堂先生についてとは…？」

「性格の問題点とかさ」



意外に普通に接してきた来生にもそう言われて、私が思いつく浬の問題点を口に出してみた。



「んー…、スタッフには必要以上に厳しくってドSで、新人さん泣かせなところもあるし、あと性格がなー、あのつんけした性格がもっとどうにかなれば魔王なんて呼ばれる事もなかったのに」

「あ、A先生？」



と、誰かが止めていた事なんて知らず、どんどん出てくる浬への不満の数々。



「最初の頃はもっと優しかったのに、今じゃクリームパン買い逃しただけで不機嫌になるお子様ですからねー」

「…誰がお子様だって？」



背後からのドスの効いた声に驚いて振り向くと、どこから聞いていたのか分からないが不機嫌MAXの浬。



「お前…いつから？」

「天堂君は愛想がない、ギスギスしてる辺りから…」

「ほら、こういう所ね！」



浬を指差して周りのみんなにそう言う小石川先生に、みんな気まずそうに目線を違う方へと向ける。



あぁ、小石川先生これ以上油に水を注ぐような発言しないで…。



下に向けていた目線をチラリと浬に向けると、凄い目力で睨まれてしまった。



「(ひぃ…！！)」



これは、後でお話があるって目ですよね。分かってます。もう何年も共にしてるから目だけで分かります。



「天堂先生回診ですね！勇者ちゃんお願い」



浬はサポート役に選ばれた佐倉さんと二人で、回診の為にスタッフステーションから離れて行った。

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