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コンコン。
九 「…あー、開いてるから、入ってくれ。」
『はい。失礼致します。
…ココくん、寝起き…じゃないですよね。』
部屋に入ると九井は、
パソコンの画面を睨みつけつつ、カタカタと操作し、
インカムで誰かに指示を出していた。
どう見ても寝起きではない。
九 「あー、ちょっとしたトラブルが起きて、
30分前に起こされた。
…ちょっとそこに座って待っててくれ。」
机の周りには散乱する書類。
咄嗟に、九井なら見られてはいけない書類を
私が来ると分かっていて出しておくだろうか、と彼女は判断。
そして九井は、インカムの先の人物と話をしながら
部屋の奥へ歩いて行った。
そこにもパソコンや大きな電子機器がある。
その隙に散乱した書類を、
さっと見た種類毎に分けて、
付箋をつけて机へ乗せる。
本当は日付け順にもしたかったが、
時間がないと判断した。
仮眠時に脱ぎ捨てたらしい、
彼特有のあの伝統服も
皺にならないよう畳んで、ソファへ置いた。
九井が話を終えて、戻ってくる。
一瞬、あまりの違和感の無さに、
勝手に整理されたことに気付かないほどだった。
しかし次の瞬間、
異変に気付き、
ソファに座る彼女に目をやる。
案の定、九井は、
極秘書類が混じっていた場合について
考えたか聞いた。
そして、
先ほどの答えが返ってくる。
『九井さんが、私が来る時間帯に、
そんな書類を置いおくわけがない、
と、九井さんを信じて片付けました。』
微笑む彼女に文句は出てこなかった。
まあ、むしろ、非の打ち所がない対応だ。
…たった1つを除いて。
九 「…A、九井さんに戻ってる。
くくっ、まいった。
さすが大企業の元社員は違うな。
ありがとう、これ、助かる。」
九井は整理された書類を
トントンと、指差し言った。
『え?
あ…、ふふっ、すみません。
気をつけますね、ココくん。』
あの、少し緊迫した状況で
しかも今日が初日。
及第点どころか、満点に近い対応だ。
マイキーの言う通り、肝が据わっている。
九 「こんなに有能なら、部屋を一緒にして
常にサポートを頼みたいくらいだ。
今からでも一緒にして、
秘書として働くか?」
『もう、買い被りすぎですよ。
本気にする人もいるので、
あまりそういうことは言わないことを
おすすめ致します。』
なまじ冗談でもないのだが…。
九井は少し残念に思いつつ
彼女に仕事を教えるべく、
PCの傍へ呼んだ。
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きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» がんばります!ではでは(^^) (2022年11月15日 17時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月_siduki??_(プロフ) - 頑張ってください(ง •̀_•́)ง (2022年11月15日 17時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!このコメント欄でのやり取りを繋がってるって言うのかな?疎くてすみません…(^_^;)今作も楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2022年11月15日 16時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月_siduki??_(プロフ) - いや…すきで読んでるんで!!!キリンさんとは…本当に繋がりたいです((繋がってるのかな、? (2022年11月15日 16時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» 紫月さん、こんにちは。ありがとうございます。お手隙な時にでも、気軽にお読み下さると嬉しいです! (2022年11月15日 16時) (レス) @page23 id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん。 | 作成日時:2022年11月5日 18時