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それから松田にAちゃんと会ったことを話した。もちろん隼人くんのことは伏せて。
松田にもAちゃんと会って話すようにと伝え、渋々ながらも待ち合わせ場所、またもやポアロへ来て、Aちゃんを待っている。
「おい、萩原。お前はいいとして、何でこいつらまでいるんだよ」
カウンター席に座っている美和子ちゃんと由美ちゃんを指して言う松田。
「なんだ、バレてたのか…背向けてたから顔さえ合わせなきゃいけると思ってたんだけどな〜」
「で、なんでいんだよ」
「この前たまたま、ポアロでAちゃんと話した時に丁度この2人もいて、でその流れでね…」
「安心して、松田くん!私たちは応援してるんだから!」
「Aさんに変なこと言わないか、しっかりと見張らさせていただくわ」
チッと舌打ちをする松田。
2人がいることにもだけど、きっと俺とAちゃんが松田に内緒で会っていたことに対して腹立ててるんだと思う。
松田も案外ヤキモチ焼きだからな〜。
そんな中「お待たせ、萩原くんっ」とAちゃんはやってきた。
「チッ 萩原にだけかよ…」
「まあまあ…Aちゃんも座って!」
「う、うん…」
俺の隣に座ってきたAちゃん。
松田の目が若干怖いけど…仕方ないよねこの座り方。
俺が松田の隣に行くのも気持ち悪いし、だからといってAちゃんが松田の隣に座るわけもないし…
誰も話を切り出そうとせず、沈黙が続く。
そんな中口を開いたAちゃん。
「聞いたよ、萩原くんから。私の両親から別れてほしいって頼まれたんだってね」
「ああ…」
「言ってくれたらよかったのに…」
「んなこと言えるかよ」
「だからって黙っていなくならなくたって…ずっと探してたんだからっ!家に行ってもいないし、萩原くんにも連絡付かないし、伊達さんとか他の知り合いの人に聞いても知らないって言われるし…」
「それは本当に悪かった…それでお前、金持ちとの結婚はどうしたんだよ」
「そんなの、断ったわよ!」
「はあ?じゃ、じゃあ!あの子供は?!」
「それは…」
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作者名:y0shin0 | 作成日時:2021年6月8日 23時