6歴「彼女のブレスレット」 ページ10
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……今の状態では私がコイツについて来ているようなものだが、
実際のところはコイツが私の旅についてきているのだ。
それも「ついてくるな。」と何度も言っているにもかかわらず、
しつこくな。
なら何故一緒にいるかって?
それはな…。
何度逃げようがしばらくたつと、どこかの国や村などで遭遇するのだ。
スゴイ確率でな。
その度に「このギーヴ!!やはりフィアラ殿とは離れられぬ運命!!!」だの。
「フィアラ殿とまた巡り会えるとは、やはり赤い糸で結ばれて…!!!」
だの。ふざけたことをぬかしていたな。
思い出しただけであのポーズは鳥肌をたたせ、吐き気を呼び覚ます…!
この広い世界で何故こんな遭遇率が高いのか…、恨む。
忘れよう。忘れよう。
そんな気色悪いことよりも、これ以上コイツに付き合い自由を奪われないないようにしなければ!!
――――… ふぅ。
あたしは自由を求め、共に生きる…。
フィアラは目を瞑りながらゆっくり息を吐くと、
自身の左手首に身に付けているブレスレットを右手で触れながら……心の中で呟いた。
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作者名:自然竜&カノン♭ | 作成日時:2015年8月2日 20時