80'S【今日から俺は！！】 (ページ4)

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三橋に連れてこられた屋上には、ホームルームの最中とあって誰もいない。

「いきなりどしたの？三橋くん」

すると、さっきまでとは打って変わって
急にしおらしくなった三橋がモジモジし始めた。

…そしてこれがまた絶妙に気持ち悪い。

「あぁいや、その、いきなり悪ぃ。

…何て言うかだな、その～…あれだよ、あれ」

「…もしかして、その転校デビューのこと、

秘密にしてくれ…とか？」

少し恥ずかしそうに口ごもる彼を見て、

誰にも聞かれたくないことでもあるのだろうか、という勘はアッサリと当たったようだ。

「う、うるせぇ！転校デビューじゃねぇ！！

いいかMs.A、よく聞け？

これはだな……」

「これは……？？？」

「これは＿＿＿"今日からツッパリ"だ！」

「……？？」

三橋が訳の分からないことを
あまりにも自信たっぷりに言い放つため、
どこから突っ込んでいいのか分からずにいるうちに畳み掛けられる。

「だから！クソだっせぇ転校デビューとは違ぇんだよ、分かったな？」

「あ、え、あ、うん？」

「よし！分かったな！？うんうん、分かったならよろしい！以上！！ハイ解散！！！」

三橋はそれだけ言い残し、満足気な顔でさっさと教室へ帰って行った。

そこでやっと、彼の勢いに圧倒されて止まっていた思考が追いついてくる。

＿＿＿とにかく今日から金髪なのは、秘密にすればいいんだよね…？

半ば強引に理解させられた気もするが断る理由もないので、秘密にしておこう。

「…あ、1限始まっちゃう！！」

ふと気づけば授業開始まで残り1分。

今のことはこれ以上深く考えずに、
とりあえずは1限開始のチャイムに負けないよう教室へと急いだ。