Dr.じゃんぷ×Pt.じゃんぷ そのご。

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side:Ryosuke

ああしよう、こうしようと伊野尾ちゃんと色々考えた末に漸く出来上がったユニット曲。


ファンの子に初披露するのは楽しみで仕方なくて、今日のリハーサルにも力を入れる気満々でいたんだけど…朝起きた時から調子は良くなかった。


身体が重いような、怠いような…頭も痛くなってきて、鎮痛剤を飲んでから家を出た。


薬が効いたみたいで打ち合わせまでは体調も安定してたんだけど、リハが始まると眩しいライトの明かりに比例して頭痛は酷くなる一方で…


一曲終わったと同時に蹲み込んでしまった。


ズキンズキンと激しくなる頭痛と吐き気がしてかなり辛い。伊野尾ちゃんがすぐに気が付いて楽屋まで運んでくれた。


慧「診察して鎮痛剤飲もっか、頭痛いのっていつから？」


涼介「今朝…痛み止め、朝にもう飲んじゃった…。」


慧「そうなの？効かなかった？」


涼介「最初は効いてた、けど…眩しいとしんどくて…」


そっかぁ、と言いながら聴診器を首に下げて、さり気なく毛布を捲ってくる。


慧「そのままじっとしててね、息吸って〜…」


涼介「……、」


慧「…ん、いいよ。次お口開けるやつね。」


涼介「…それやだぁ、泣」


慧「あ、これ？笑 おえってなるまでしないから大丈夫だよ。」


涼介「…ぁー…っ」


…伊野尾ちゃんのペースって独特で、一回飲まれちゃうと引き返せないというか…。


嫌なことを無理にしたりはしないんだけど、自然と言われた通りにしちゃうんだよね。


慧「…はい、いいよ。喉は大丈夫そうだね。んー…もう一回お薬飲んでおく？」


涼介「…うん、欲しい。」


慧「じゃあはい、これ。飲む前に軽くで良いから何か食べてからね？出番ももう少し先だからそれまで休んでな。」


薬を受け取って、食欲は無いけどテーブルにあったお菓子を１つ食べてから薬を飲んだ。


効いてくれるといいなぁ…。


.




.

身体を軽く揺すられて目が覚めた。…そっか、あの後寝ちゃったんだ。


慧「あ、起きた？おはよ。そろそろ順番回ってくるけど具合どう？」


涼介「ん…さっきよりマシ。大丈夫、できる。」


慧「無理しないでね。さっきので大体掴めてるし、明日は一発撮りじゃないからそんな焦らなくていいよ？」


涼介「ううん、まだ直したいとこあるから…」


ソファから身体を起こして、軽くストレッチをする。…やっぱり本調子じゃないなぁ…。


『伊野尾さん、山田さんスタンバイお願いしまーす！』


楽屋に入って来たスタッフさんの一声で、リハーサルの続きが始まった。

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