7 ページ8
.
「いって」
思わぬチョップを食らって、声が出る。
『そういうの、嫌』
そう不満そうに呟く彼女の頬は、
さっきよりも赤かった。
.
よかった、
怒らせたかと思った。
これはたぶん、大丈夫なやつ。
「そういうのって?」
『学校で、とか』
だから少し意地悪したくなったのは、
許してほしい。
.
「学校で、なに?」
『…』
顔がさらに分かり易く赤く染まって、
俺の手をつねる彼女。
.
「痛いってば」
嘘、
全然痛くないけど。
精一杯の抵抗がそれかよって。
「ほんと、可愛い。」
.
俺がそう言って頬を撫でると、
彼女はため息をついた。
『も、降参』
消え入りそうに呟く彼女。
なんの話?
急に何?
.
「お前は一体誰と戦ってんの」
『常識』
相変わらず淡白な返し。
すこし分かりづらい
疑問を解こうと苦戦している時、
袖を引っ張られる感覚で引き戻される。
.
さっきまで俺をつねってた手。
白くてちっちゃい手。
あぁそっか。
これはもしかして
「…俺の勝ち?」
.
首を縦に振る仕草の意味は、
俺を笑顔にさせるのに十分な破壊力で、
気づけば
もう一度、唇を重ねていた。
.
43人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kaho(プロフ) - 星蝶夜さん» 素敵なご感想をいただけて、とても嬉しいです!読んでくださって、ありがとうございます(*´ `*) (2021年3月29日 12時) (レス) id: cde1bfd013 (このIDを非表示/違反報告)
星蝶夜(プロフ) - すごい面白かったです!短かったから読みやすいし…素敵な作品を作っていただいてありがとうございます! (2021年3月27日 21時) (レス) id: 668b169162 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:kaho | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/kAhO5/
作成日時:2021年3月16日 21時