- アザレア - 【 名前変換オリジナル 】

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既読がついたのは、
自分の朝食の皿も空になりかけたころだった。

スマホのバイブがメッセージを知らせる。

通知画面には
〈 医務室 〉
とだけ書かれてあった。







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いや、え、
朝から医務室ってことは
怪我、ではないし。

〈 なんで 〉
という俺の質問と

〈 熱 〉
という彼女のメッセージは同時だった。



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熱って、。
別に昨日の感じは普通だったのに。






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色々と記憶をたどっていると、
また通知が一件。

〈 既読はや 〉


相変わらず無機質なメッセージだ。
というか、既読早いのはそっちもだろ。


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風邪?
Aちがう、たぶん
知恵熱
は?
A合宿あるある

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あー。
そういえば夏休みの合宿の時もそうだったっけ。

あれは、合宿終わって帰った後だったけど。
熱出たって言って、
行くはずだった花火見れなかったやつ。


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同じ場所で合宿って初めてだから知らなかったけど
永野の部活って結構えぐいメニュー組んでる。

知恵熱って表現が合ってるかどうかは置いといて、
1日中あんだけのスケジュールこなしてたら、
身体もびっくりするだろ。


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しんどい?
A平気。




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いくら既読が早くたって
平気な姿を見てないなら意味がない。


…俺も体調悪くなればいいのかな。






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「お前早く食えよ、遅れんぞ。」

もうすっかり身支度を終えている部員が
俺を急かす。






「ねぇ、俺頭痛い気がする。」

「…お前ほんとに痛いとき言わねーじゃん、自分で。
　先行くからな。」






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仮病作戦は秒で終わった。






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