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「強さは互角だ。というか私としては単純に入れ替えが面倒だ」
「なんちゅうことを」

どうしたもんか。

「じゃあ獪岳くん、ジャンして勝ったほうが伍ね」
「そんな雑なことあるか。いいんですか、……無惨様」
「私はどちらでも構わない。面倒だがな」

いくぞ!

「じゃんけんぽん、あ、勝った」

勝つんかいこれで。

「では獪岳が陸だな」
「待って三回勝負。ね、獪岳くん」
「なんでだよ。それ普通負けたほうが言うやつだろ」
「私は獪岳くんを伍にしたい」
「知るか。一回言ったこと曲げんじゃねえ、殺すぞ」

え待って怖。
おかしいな、いいこと言ってるはずなのになあ。

「負けず嫌いそうなのに変なとこにこだわるね」
「うっせー、俺は陸でいんだよ」
「ふうん……?」

次に獪岳くんの目を見た時には、獪岳くんは上弦の陸になっていた。
ぱちぱちと瞬きを繰り返している。

「あ、人間の癖だ。……てことは、獪岳くんもしかして、鬼になったばっかり!? もともと鬼で上弦に昇格したんじゃなくて、なった瞬間から上弦てこと!? ああ〜〜優秀すぎ……猗窩座殿以外にもそんなんいるんだ〜……」
「うるせえ」
「A、感慨深くなっている暇はない。さっさと二人で鬼狩りを殺してこい」
「はーい。二人で行かせるってことは、私は獪岳くんの監視ってことで?」

らしい。
違くても知らん。
返事ももらえないまま無限城からペッてされてしまった。

「さーて行きますかー」
「……おい」
「どした? なんで俺が監視されなきゃいけねーんだよって?」
「ちげえよ」

一応ね、その服見ればわかる通り獪岳くんが鬼狩りだったからだよ、獪岳くんがちゃんと殺せるかワカメさんは心配だから見ててってことなんだよって、私説明しようとしたの。
違うって言われた。

「なんで上を譲ろうとした」
「上?」
「伍の肩書きだよ」
「え? だから言ったじゃん、獪岳くんのほうが絶対強いからって」
「それがおかしいって言ってんだ。自分よりあとに鬼になった見ず知らずの野郎に自分の称号与えようとか、自ら他人を上にやろうとかする精神が理解できねえ」

そんなもんかね。
やっぱ重度の負けず嫌いだ。
自分がそうしようと思ったことがないから、他人の強さを認めるっていう思考がきっと、眉をしかめるほど気色の悪いことに思えるんだろうな。

「そのうちわかるよ」

あまりに悲しい目をしていたので、そうとしか言ってあげられなかった。

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作者名:かえで | 作成日時:2021年4月4日 16時

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