【ハリポタ】悪あがきでもしようかとⅣ (ページ13)

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第153話　こんな間柄もいいんじゃないページ13

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「当てようか？」

リーマスがいたずらっぽく聞いた。

「何を？」

「君いま、僕を通してスネイプを見てただろう」

こういう時の彼は私のことをピタリと当ててくる。
そういうところが、似ているのだ。

彼と過ごす時間を年々重ねていくにつれて、彼とセブルス君との類似点に気付いてしまう。以前に私がリーマスに彼についての相談をしたことで、鈍感ではないリーマスは私が彼に向けている想いを知っている。そのせいで今のように彼は時々こうして私を揶揄うのだ。

「大丈夫！きっとまだまだ伸びるさ！」

「これで貴方がポッターやブラックなら一発殴ってるとこだよ」

「君は本当に魔法使いかい？？」

リーマスは信じられないという目をして少し馬鹿にしたように言った。自分でも脳筋の自覚はあるが、自分で言うのと他人に言われるのとではダメージが違う。失礼な奴め、私への遠慮をどこで落としてきたんだ。さっさと戻って拾ってこい。

「……それにしても、今日はいつにも増して物騒な本を読んでいるね」

リーマスの言葉に、ちらりと手元の本を見やると、『最も邪悪なる魔術』と題された表紙と目が合う。私が知る本の中でも抜きんでいて実践的な内容が書かれた本だ。以前実家で一度読んだことがあるけれど、ふと読み返したくなったので手に取った。
それがどうしたと彼を見ると、彼はなんだが複雑そうな顔をしていた。

「…ただ知識欲を満たすためだけってなら随分危ない橋を渡るじゃないか。Aらしくもない」

戯けたように笑うリーマスの空気が変わる。その瞳は冷えていた。返答によっては私をどうこうしようという目だ。これはパッと見た初感だが、彼は私に困惑し、憤っているのだ。

散々セブルス君を遠ざけたがりながら、これは一体どういうつもりだと、あの時のお前の涙はそんな程度の価値なのか、というわけだ。

しかし、その目の色の奥に私の身を案じる気持ちがとけ出しているのが感じられた。視線の含みさえ読み取れるような間柄になってしまったことに、私はなんともいえない心地になった。

私は左の袖を捲って手首を見せながら、特に何か気を払うこともなく冷静に答えた。私は彼の熱量に対して不自然なほどに落ち着き払っていた。

「落ち着けよ、少なくとも貴方が想像しているようなことはないよ」

「…ああ。なら、いいんだけど」

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