【ハリポタ】悪あがきでもしようかとⅣ (ページ12)

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第152話　目線下の君の意地ページ12

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レギュラスが纏う空気が何となく軟化したのを感じてから数日、私は昨日の校長室での訓練を一通り思い返していた。本日はセブルス君に校長とのことがバレたあの日の一件によって設けられるようになった休養日である。

休養日だからといってもAのすることはこれといって変わりはない。いつも通りに授業を受けて、いつも通りに放課後を図書室で消費している。

セブルス君がこの場にいないのは、先程の魔法薬学の授業の終わりに、リリーと共にスラグホーンに呼び止められたからである。というのも、セブルス君が以前かなり興味を示していた魔法薬の主な原料がようやく手に入ったのだとか。

それを聞いて目を輝かせつつも、セブルス君の目線は私の顔とスラグホーンを行ったり来たりしていて、珍しくテンションが高いセブルス君がなんだか面白くて、微笑ましくて、私のことは気にするなと2人を送り出した。私？行かないよ、誘われたけどね。

リリーも連れ立って行くことに文句をつける者が、まあ数人ほどいて少々悶着があったが、まあわざわざ掘り下げることもない。

用が済んだら図書室に来ると彼は言っていたが、あの様子を見るにあまり期待はしていない。彼が楽しそうならそれでいいのだ。

目を通し終えた本を本棚に戻して、棚を眺める。そうしていると目を引く題名が目に止まったので、私はその本を取ろうと手を伸ばした。

が、思ったよりも少々高いところにあって届かない。

今度は思い切り背伸びをした。
が、届かない。

その場で四苦八苦していると、顔の横からぬっと手が伸びてきた。

「これ？」

そう言って差し出されたのは確かに私が取ろうとしていた本だった。
その人物の顔を確認した私は思わず舌打ちをした。

「え、なんで舌打ち？」

「いや、なんかイラッとして…取ってくれてありがとう、リーマス」

自分より頭ひとつ分は上にある顔。なんだか少し悔しくて、それを自分で認めるのが癪ですぐに席に戻った。

セブルス君に身長を抜かされたのは、去年の丁度今頃だった。寮の前で合言葉を唱えるセブルス君をふと目にして、彼との身長差に気付いたのだった。その時の事は鮮明に覚えている。その時はそこまで開いていなかった差だが、今ではリーマス同様にめきめき背が伸びている。

私は何も背が小さいというわけではない。セブルス君といるせいで小さく見えるようだがこれでも順調に成長期を迎えている。リリーにすら越されたなんてそんなの信じない。

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