第103話 近道の筈だった ページ10
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さて、このままでは夕食に間に合わなくなってしまう。この時間帯なら正規のルートでいけば良い席は埋まってしまうだろう。
因みに良い席というのは長いテーブルの端の席を指している。それも教師席から遠いほうだ。他の人がどう思っているかは知らないが、私とセブルス君にとってすぐ出入りできる点で言って良い席だった。
私はリーマスから聞いた抜け道の在り処を探して壁をペタペタと触った。
…確かこの辺にあるらしいんだけど。
「……あ、これかな？」
壁の模様を触っていると、かすかな凹みがあるのを見つけた。それをカチリと押すと、壁から人ひとり分通れるほどの通路が現れた。
多分これだろう。実際に使ったことはなかったけれど話に聞く限りこれで合っているはずだ。リーマスは模様の人物の目を押せとしか言っていないから、私が正しい目を押したのかどうかは分からないが。
通路の中は真っ暗だった。おそらく壁の向こうにそのまま出るのではなく、別の場所に繋がっているから先が見えないのだろう。固定されたワープ地点と言ったところか。
私が暗所恐怖症でなくてよかった。もしそうだったなら今日の夕食は諦めなければならなかっただろうから。
暫し歩けば、前方に一点の明かりがポッと灯っているのが見えた。
きっと出口だ。私は歩幅をそのままに進んで行った。
「…ここは？」
通路を出れば、見覚えがない廊下に出ていた。ここは一体ホグワーツ城のどの辺りなのだろうか。検討もつかない。
おかしいな…押すべき目を間違えていたのだろうか。リーマスの話では大広間に一番近いトイレ前の廊下に出るはずだった。
しかし今目の前にあるのは明らかにトイレではなかった。
左右に伸びる一本の廊下を見渡せども、小さな窓が転々とあるだけで空き教室などの類は一切見当たらない。
唯一の手掛かりとなる窓からは禁じられた森と思われる深緑の塊が小さいながらも確認できた。このことから、ここがかなり高いところにあるのだろうと推測できる。
ただ、通路を出た真正面には他と比べてもかなりの大きさの窓が設置されていて、真っ赤な夕焼けの色がそこから余すことなく射し込んでいた。
その夕焼けの光は、通路があった壁を私ごと朱色に染めていた。
通路は気付けば消えていた。
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しう - ネームが、バグってしまってるんですけど… (2022年10月22日 9時) (
レス) @page1 id: f32468df16 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 劉嘩さん» ありがとうございます！自分では面白いのか？と手探りで書いているのでそう言って頂けると嬉しいです。 (2019年7月31日 0時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
劉嘩 - 一気読みしちゃいました。面白かったです!!これからも無理をしない程度に頑張ってください!!応援してます!! (2019年7月29日 17時) (レス) id: 8c95e35653 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - えぬさん» ありがとうございます！最近更新停滞気味で申し訳ありません…これからも宜しくお願いします。 (2019年6月23日 18時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ(プロフ) - 今日この作品を見つけて一気読みしてしまいました…！！これからも頑張ってください！！ (2019年6月16日 19時) (レス) id: 56c93dfa56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年12月5日 2時
