第110話 抜かされた途中式 ページ18
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少し微笑んだセブルス君の表情は敵意などなくて、その雰囲気が私を暖かく包んでくれた。
ジーンと胸が熱くなる。
なんだかとても泣きそうだ。
これまでの苦渋も苦悩も全てが報われたような気がして、心が浮ついた。
彼は、黙りこくった私に困惑しているようで、彼のその様子を見て正気を取り戻した。
そうだ、問題はまだ終わりじゃない。
咳払いを一つして、頭の中でせかせかと内容を整理しながら、話を始めた。
「…セブルス君が闇の魔術に秀でている事が、闇陣営側にバレたら、奴らはセブルス君を引き抜こうとするだろう」
セブルス君は完全に聞く体制のようで、口を挟む事なく私の話を聞いていた。その様子にホッとしながら、話を続ける。
「それで、それが実現してしまう可能性が高くなる要因が、セブルス君がセオドール達のような、闇陣営との繋がりが強い奴らと関わりを持つ事だったんだ」
「それを、僕がしてしまった、と」
「そう。彼らは将来死喰い人になることを約束されている。実力がどうなのかは知らないけど、ゆくゆくはあの人にも会うだろう…ただでさえマルフォイ先輩に目をかけられていたのに今度はセオドール達なんて……。例のあの人はもっと人員を確保したいと思ってるだろうし…。独自に学ぶのは構わない。セブルス君が闇の魔術に興味があることも、吃驚するくらい才覚がある事も、分かってる。…けど、私は…ッ」
そこまで言ってしまってから、言葉を止めた。私情を挟んでしまったことに気付いたからだ。
何を言おうとしてるんだ。違うだろ、そうじゃないだろ。私のことなんてどうでもいいだろ。
「A、」
「…なに？」
彼の表情は不気味なくらいいつも通りで、私は話の内容と表情との温度差に困惑した。
……セブルス君、話聞いてた？
私の困惑も我関せずといった様子で、セブルス君は顎に指を添えながらなるほど、と小さく呟いた。
「つまり、僕が奴らと関わりを持ったら、Aが傷つくんだな？」
……………え？
なんて？
彼が言った言葉の意味を理解すべく、頭の中で繰り返す。
“つまり、僕が奴らと関わりを持ったら、Aが傷つくんだな？”
成る程理解した……って、え？？？
何処から私の話を持ってきたんだ？
セブルス君は“つまり”の使い方を分かっているのだろうか。どうやったらそんな迷論に行き着いてしまったんだろう。
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しう - ネームが、バグってしまってるんですけど… (2022年10月22日 9時) (
レス) @page1 id: f32468df16 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 劉嘩さん» ありがとうございます！自分では面白いのか？と手探りで書いているのでそう言って頂けると嬉しいです。 (2019年7月31日 0時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
劉嘩 - 一気読みしちゃいました。面白かったです!!これからも無理をしない程度に頑張ってください!!応援してます!! (2019年7月29日 17時) (レス) id: 8c95e35653 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - えぬさん» ありがとうございます！最近更新停滞気味で申し訳ありません…これからも宜しくお願いします。 (2019年6月23日 18時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ(プロフ) - 今日この作品を見つけて一気読みしてしまいました…！！これからも頑張ってください！！ (2019年6月16日 19時) (レス) id: 56c93dfa56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年12月5日 2時
