第90話 懐に月下の獣 ページ45
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憩いの場としては、厨房という手もあったが何となく気分じゃなかった。
ただ、今日は読書をしたかった。それだけだ。
しかしあの妖精たちのことを考えていたら会いたくなってきた。厨房には最近頻繁に行き過ぎていると感じた為自重していたのだが、特に避ける理由もないし今度手土産でも持って会いに行こう。
久しぶりの一人の時間。
セブルス君とリリーと一緒に居たくないわけじゃないけど、全寮制のホグワーツにおいて一人になれる時間は皆無に等しい。
たまには一人になりたい時もある。
あの仲睦まじい二人を見るたびに、すこし思うところがある…と言うわけではない。断じて。
これでも普段２人きりにしたり、さり気無く立ち去ったりと気を使ってやっているのにあの二人ときたら甘い雰囲気の１つも出しやしない。セブルス君が奥手なのは分かっていたがそれをいざ間近にするともどかしいものである。
閉鎖的で孤立した城の中は娯楽も少なく、生徒たちは口にはせぬものの、皆退屈を抱えている。
そんな場所で私は一人になれる空間を見つけた。通うまでとはいかないけど、一人で図書室を訪れた時に必ずここを利用する程のお気に入りだ。
「やあA、今日はここかい」
まあ、それも全ては例外を除いての話なんだけど。
ひょっこりと本棚の間から顔を出して小声で私の名前を呼ぶこの男は、皆さまお察しの通りリーマス・ルーピンその人である。
特に約束をしていたわけでもない。
どういう訳かこの男は私を見つけるのがとても上手かった。ここの事も彼は当然であるかのように見つけた。(まあセブルス君には遠く及ばないけど)
何を思って私に話しかけるのかは今も分からないが、根に悪意がないことは確かなのだから邪険にしにくく、結局受け入れてしまう。私にとってポッターとブラックに次ぐ難儀な存在であった。
「何読んでるんだい？」
「身の毛もよだつ魔法生物の捕獲方法、こっちは世にも恐ろしい悪鬼羅列」
「わあ、独特」
「でも結構面白いよ、読んでみる？」
「遠慮しとくよ、何だか呪われそうだ」
「何に？」
クスクスという笑い声が穏やかに耳に届く。
彼とは冗談を言える仲までになった。
１年生の頃に奇妙な出会いをしてからというもの彼は私にこれでもかと接触を図った。そして私は子犬のように擦り寄ってくる彼を強く拒めず、いつの間にか諭されていた。
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亜京目(プロフ) - 有難うございます！ストレートな褒め言葉に顔のニヤケが収まりません…これからもよろしくお願いします。 (2018年12月4日 20時) (
レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは、初コメ失礼致します。物語の設定とか描写の仕方がドストライク過ぎてとても好きです(^^) これからも更新楽しみにしてます。体調など崩されぬようご自愛くださいませ。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 雨さん» コメント有難うございます。最近の話の流れが難しく、四苦八苦しながら更新している状態です。ですが必ずまとめてみせます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2018年9月22日 16時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - fairy taleさん» 暖かいお言葉をありがとうございます。自分の好きなように書いている物を読んで頂いていること、誠に感謝しております。これからもどうぞご愛読の方よろしくお願い致します。 (2018年8月29日 20時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年8月17日 22時
