第89話 感ずる年も短し ページ44
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ホグワーツも４年目ともなれば慣れたもので、数ある仕掛けの中でも十数個は把握できているといっても過言ではない。
それでもホグワーツ内の仕掛けの総数からしてみれば雀の涙一滴分にも満たないのだろう。まるで忍者か何かの秘密基地のようだ。
ホグワーツの広大な敷地での教育過程は実に有意義であった。
けれど道に迷う新一年生が後を立たないのは考え物である。遅刻をしないようパタパタと急ぐ姿が微笑ましくて小さく笑いが漏れる。
_____もう四年も経ったのか。
入学してから早４年。
感慨深いものがあるといったら嘘になる。
相変わらず悪戯仕掛け人はちょっかいをかけてくるし、セブルス君とリリーの距離は一向に縮まらない。あの頃と何ら変わりがないのだ。懐かしむ気もおきやしない。
マルフォイ先輩が卒業した今、闇の勢力は徐々に勢力を拡大していると風の噂で聞いていた。
あの人もきっと…いや確実に死喰い人となったのだろう。お家柄とはそういうものだ。なんだか将来の自分を見ているようで吐き気がする。所詮は同族といったところか。
……自分の言葉に凹んでちゃ世話ないな。
人の目をかいくぐり、使い慣れた抜け道を通る。
実を言えば、私が知る仕掛けや抜け道の殆どがリーマス・ルーピンによって聞かされたものなのだ。
悔しいが便利だ。
私はそう文句を言いながらも頻繁に抜け道を利用している。最近では正規の道で歩くことが無駄に感じてしまっている。
面倒臭がりのサガだ。致し方あるまい。
図書室には、照明がよく当る席と、陰気臭くて誰も使いたがらない席がある。
前者は勤勉なレイブンクロー生が主に使用している。やはり勉強する環境が良い方がいいのだろう。
後者はというと、人が寄り付かないのをいいことに、人避け目的の奴がたまに利用するくらいである。
もっとも、私がその後者であるのだが。
その席は一番奥の角に位置している。
いくら暗いといっても全く光が入らないわけではないし、本棚が詰まって置かれているから人の目を気にすることもない。
狭いので滅多に使用されないから汚れも少ない。
私からすれば良い事尽くめな物件なのだ。
目に留まった本を何冊か抱えて、なるべく人から見られないように移動する。
そして本棚を掻い潜り、棚と棚との間にできた人が通れるギリギリの隙間に身を捻じ込めば、そこにようやく辿り着く。
今日の放課後はここでまったり過ごすと決めている。
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亜京目(プロフ) - 有難うございます！ストレートな褒め言葉に顔のニヤケが収まりません…これからもよろしくお願いします。 (2018年12月4日 20時) (
レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは、初コメ失礼致します。物語の設定とか描写の仕方がドストライク過ぎてとても好きです(^^) これからも更新楽しみにしてます。体調など崩されぬようご自愛くださいませ。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 雨さん» コメント有難うございます。最近の話の流れが難しく、四苦八苦しながら更新している状態です。ですが必ずまとめてみせます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2018年9月22日 16時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - fairy taleさん» 暖かいお言葉をありがとうございます。自分の好きなように書いている物を読んで頂いていること、誠に感謝しております。これからもどうぞご愛読の方よろしくお願い致します。 (2018年8月29日 20時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年8月17日 22時
