第68話 青い狼煙に目が冴える ページ22
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考えるという行為は良い。
自分が持つ記憶を精密に取り出し、整理することで意思を明白にできる。私が芯から没頭できる数少ないものと言える。読書だって、新たな知識を求めて行うものだろう。
水面と表現するにはどろりとし過ぎる鍋の中身を確認しながら、頭にある小さな引っかかりを掬い取った。
あの汽車の中で、私はブラックに対して羨ましいと思った。
証人もそれを証明できる物も何一つないが、私の胸に残る大きなわだかまりが現だと、静かに語っていた。
「羨ましい」という言葉は、他人の恵まれた能力や状態を見て、自分もそのようにありたいと思って、はじめて口に出す言葉だ。
これが本当なら私はブラックのことを恵まれていると思ったのか？ 私よりひどい環境であるだろう彼をか。
…いや、周囲の環境に対してではないだろう。私と彼は五十歩百歩、大して変わらない。
「羨ましい」は「妬ましい」という言葉にも近い匂いを持ち、実際に同義とされることもある。
けれどあの時の私は、妬ましい、とは違っているような気がした。
嫌味が含まれていない、寧ろ感嘆の意が込めらているようだった。
向こう側が非友好的なのに対してこちらも非友好的に返している、それだけだ。こうして元を辿れば、私が彼を嫌う理由が少し弱くないだろうか。彼らは私に害をなす、だから私も、とは。
これは持論だが、人を嫌うには責任がいる。人を嫌う時に何かしらの理由がなければ相手側に非があることにはならないし、よく聞く “生理的に無理” では理由にならない。根っこに必ず理由があるのだ。
その人をよく知った上で嫌うというならば許されるだろう。絶対に相容れない人は存在するのだから。
私を例にあげればスラグホーンだ。寮監である彼とは授業以外でも接することが多々とあった。
だが、ブラックはどうだ。
ポッターの親友で、実家とは溝がある勝気な男子生徒。彼はそれだけで片付けられるような人間ではない。私は彼のことを何も知らない。だからリリーに尋ねた。
そこまで考えて、私は大鍋の異変に気付いた。
有るはずもない青の煙がゆらゆらと目前で揺れていた。
初めて魔法薬学の授業で失敗し、１点の減点をくらったが、それすら気にならなかった。
私はある見解に至った。
ブラックが私を嫌う理由が必ずあり、そしてそれは私、A・Aの性格とは関係していないだろうことに。
−−−−
夢主の頭の中だいばくはつです
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亜京目(プロフ) - 有難うございます！ストレートな褒め言葉に顔のニヤケが収まりません…これからもよろしくお願いします。 (2018年12月4日 20時) (
レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは、初コメ失礼致します。物語の設定とか描写の仕方がドストライク過ぎてとても好きです(^^) これからも更新楽しみにしてます。体調など崩されぬようご自愛くださいませ。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 雨さん» コメント有難うございます。最近の話の流れが難しく、四苦八苦しながら更新している状態です。ですが必ずまとめてみせます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2018年9月22日 16時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - fairy taleさん» 暖かいお言葉をありがとうございます。自分の好きなように書いている物を読んで頂いていること、誠に感謝しております。これからもどうぞご愛読の方よろしくお願い致します。 (2018年8月29日 20時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年8月17日 22時
