第62話 形にしても良いものか ページ16
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「……」
リリーは渋っていた。私がポッターに対する台詞を提言した時も、眉が少し寄せられていた。
まさか自分がそんな、高飛車な女のように振る舞うなんて、とか？
…言い過ぎたか。若干私情を挟んだことは自覚している。
「でも、ここまで言う必要はないね。リリーがやりたいようにすれば良いよ。何も強制しているわけじゃない」
黙ってしまったリリーに、とっさに言葉をかける。
しかし、リリーは決意が固まった顔つきをしていた。
「いいえ、やるわ。Aがせっかく言ってくれたんだもの。彼にもうんざりしていた所だし」
「そっか、これでも駄目なら別の方法を考えよう」
リリーからずっとポッターの困った少年ぶりを聞いていた身としては、いい加減ポッターとリリーが確執なく接してくれると有り難い。
リリーの友達としてのA・Aならば、即刻そんなやつ無視しておけばいい、それか手酷く振ってしまえ、と口走っていたかもしれない。
リリーの良い相談役として彼女に接していて良かった。
ポッターが来た時点で私の相談役の面の皮が剥がれてしまったが、結果的に彼女に話が聞けたのだから見逃そう。無駄に切り替えが早い自分の性格に感謝した。
そういえば、自分の意見は腹の内で温めておくより、さっさと外に出す方が余程よろしいと言う人がいた気がする。いやはや、言ってみるものだ。
ーー−−
話が纏まったところで、よろしいついでにもう一つ、腹の底から言葉を拾い集めて響かせた。
「ねえ、リリーはブラックと話したりする？」
「ええ、顔を合わせたら。世間話はしないけれど、少ない言葉を交わすくらいの仲よ。…ブラックがどうかした？」
私からブラックの話を振ったことが珍しいからか、リリーは先程まで景色を眺めていた目を私に戻した。
悪戯仕掛け人の私への所業をもちろん彼女も知っている。正直彼自身は現時点では気に入らない。
けれど、私はその事を抜きにしても聞きたいことがあったのだ。
「彼、ブラック家じゃんか。でも彼はグリフィンドールに現在も無事に属している」
「そうね……彼は」
リリーは私が話し出した内容の意図がわかっていない。焦れったい気もするが、私もわざと回りくどい言い回しをしていたので仕方がない。
私自信、どう表現すればいいのか、迷いながら慎重に言葉を選んでいた。
「ずっと気になってたんだ。彼とブラック家には、何かあるのかもしれない、と。」
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第63話 知識欲は溢れ得るか→←第61話 口説き文句は大袈裟に
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亜京目(プロフ) - 有難うございます！ストレートな褒め言葉に顔のニヤケが収まりません…これからもよろしくお願いします。 (2018年12月4日 20時) (
レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは、初コメ失礼致します。物語の設定とか描写の仕方がドストライク過ぎてとても好きです(^^) これからも更新楽しみにしてます。体調など崩されぬようご自愛くださいませ。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 雨さん» コメント有難うございます。最近の話の流れが難しく、四苦八苦しながら更新している状態です。ですが必ずまとめてみせます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2018年9月22日 16時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - fairy taleさん» 暖かいお言葉をありがとうございます。自分の好きなように書いている物を読んで頂いていること、誠に感謝しております。これからもどうぞご愛読の方よろしくお願い致します。 (2018年8月29日 20時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年8月17日 22時
