第34話 紅茶談義に花は咲かない ページ34
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「セブルス君は紅茶を淹れるのがうまいね。とっても美味しいよ」
「そうか……Aがくれた茶葉がよほど良いものなのだろうな」
「あの人たちが私に送ってくるものは大抵が安物だよ。……彼らはね、高級なものは自分たちですべて摂ってしまって、私にはごくありふれた庶民的なものばかり与えてきた」
「……そうか」
セブルス君に腕を引かれるまま、連れてこられたのはスリザリン寮だった。セブルス君も私と同じで授業に出席するのを諦めた口らしい。
あの教授はあいつらに大層腹を立てていたのを記憶しているから、この後ですべてをあの悪童どもに擦りつけて言い訳をすれば叱られることはないだろう。一応、私はこれでも優等生で通っているため先生群からは目をつけられることはなかった。そして、これからもそれは変わらない。
お互い冷えた体を風呂で温め、授業に出ない分の浮いた時間をこうして茶を飲みながら優雅に過ごしているのである。今飲んでいる紅茶は、茶葉こそ私のものであったが、セブルス君が自ら進んで淹れてくれたのである。
「もっとも、私は目利きな方ではないから、今まで気にしたことはないよ。素朴な味は嫌いじゃない。…うーん……例えば紅茶は、茶葉がどんなに上等であろうと淹れる者が大雑把で下手くそならその価値は半分にもそれ以下にもなる。…今日の紅茶を淹れたのがセブルス君で良かった。私が淹れたらこのティータイムが台無しになるところだったよ。 あ、ブラウニー食べる？」
「……」
セブルス君は、私がいつもより何割も増しに雄弁家であるその理由がちゃんと分かっているようで、気まずそうに私から目線をそらし口を噤んでいる。紅茶にはまだ一度も手をつけていない。
私が雄弁になるのは言わずもがな、怒っているからだ。
私は溜め息を一つこぼすと、空気を変えるように再び話し始めた。
「…あのね、セブルス君は優しいから私を巻き込まんとしてくれていたのは分かっているよ？それでもやっぱり言わせてほしい。…なんで私に何も言ってくれなかったの？」
「……」
彼はだんまりだったが、今ここで私が退けば彼は私に何も言ってくれなくなるだろう。それはとても不安なことで、今の私にとっての最悪だった。
根気強く待ち続ければ、セブルス君がおずおずと口を開いた。
「その……Aは最近とてもピリピリしていたから、僕のことで…さらに余計な心配をしてほしくなかったんだ……」
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第35話 この仔猫、侮り難し→←第33話 何も知らない薄い皿
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亜京目(プロフ) - キュウさん» いえいえ、お気になさらず。よかったらこちらの小説もどうですか(笑) (2019年5月3日 22時) (
レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
キュウ - すみません！！コメントする小説間違えてしまいました！！ (2019年5月3日 22時) (レス) id: b33addfcfc (このIDを非表示/違反報告)
キュウ - ちょくちょく夢主の名前と苗字？が反対になってますよ〜 (2019年5月3日 21時) (レス) id: b33addfcfc (このIDを非表示/違反報告)
青鯖(プロフ) - 亜京目さん» ようこそ文スト沼へ( ^ω^ ) (2018年10月24日 20時) (レス) id: c8be7af1d7 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 青鯖さん» 最近友人に漫画を借りて一から読みました。文ストは初心者です。まんまと沼にハマりました… (2018年10月24日 20時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年6月18日 15時
