幸せはきっと僕の手の中に…

41話 健太 ページ41

…今日も収録を終えて、俺はダラダラと楽屋で着替える…

…ぼんやりと考えることっていったら…アイツのことだけ…←笑

…今日は、何してんだろ…仕事、まだ終わってねぇのかな…
そんなことを思いながら、ケータイを見ていると…

守｢矢野くん…最近、彼女…できたでしょ？｣
ふいに、後ろからケータイを覗きこまれ、びっくりする俺…！

健太｢んだよっ!!かっ、勝手に見んじゃねーよ!!｣
俺はケータイを隠して、俺より背の高い守を唇を尖らせて睨む…←カワイイ…笑

そんな俺を見て、守は腰に手をあてて得意げに俺に問いかける。

守｢僕…知ってるんだ♪この間…来てたコでしょ♪矢野くんの彼女…♪｣

健太｢…!!｣

…この間…アイツが局に来てた時、確かに守に見られてた…！
俺は思わず言葉につまる…

守｢可愛いコだったね♪矢野くん…今度、僕にも紹介してよね♪｣

健太｢や、やだよっ!!｣
守にまで、冷やかされるなんて…俺のプライドがっ…←笑

間髪いれずに俺が断ると、守は珍しくイジワルそうな顔をする…

守｢…い〜のかなぁ…歌のお兄さんなのに、女の子と付き合って…｣

健太｢だっ、だって…！ちゃんとした彼女なんだから、別にいーじゃねーかっ!!｣
ムキになって言い返す俺に、守はタレた目尻をいっそう下げて笑いかける…！

守｢大丈夫♪みんなには、内緒にしとくからね♪矢野くん♪｣

……守に弱味を握られた、気がした…笑


…そんなわけで、ため息をつきながら家に帰る俺…
ポケットに手を突っ込みながらダラダラと歩き、家の前に着くと…

｢………健太…｣

……家の前で、俺は懐かしい顔を目にした…
白いニット帽を深く被り、ポケットに手を入れて…佇む姿に、思わず呟く…

健太｢…あか、ね…？｣

明音｢…久しぶり…｣

健太｢…お、おう…どうしたんだよ…｣

…あれから、アイツと一緒にいる時に偶然会った以来、明音とは話してない…
ライブの時は、遠くから見てただけだし…

明音｢…ちょっと、色々あって…健太に……会いたくなったの…｣
そう言って俯く明音に、俺はなんて言葉を掛けたらいいのか…さっぱりで…
とりあえず、土手を歩きながら話しを聞いた…

…ポツリポツリと、話し出す明音…

明音｢…この間…ライブ…来てくれたんでしょ…知り合いが、健太のこと…見たって…ありがとう…｣

健太｢…おう…｣

明音｢…正直…どう思った!?あたしの歌…？｣
それまで、俯いてた明音が急に俺の目を食い入るように見つめる…！

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