幸せはきっと僕の手の中に…

22話 ページ22

健太｢…じゃ、この前の場所で待ちあわせな…遅れんなよ！｣

ポケットに手を入れたまま、勢いをつけて椅子から立ち上がる健太さん…
そんな健太さんを、あたしはポカンと口を開けたまま見つめていた…！

…こ、これって…二人で出かける…ってこと…!?

健太｢じゃあな…｣

健太さんの言葉に暫し声を失ってたあたしだけど…笑
その意外に広い背中に向かって、あたしは慌てて声をかけた…！

A｢はっ、はいっ!!ずっと、待ってます!!｣

椅子から立ち上がり、大声で叫ぶあたしに健太さんの背中がビクリと動く…

肩越しにチラリとあたしを見ると、健太さんは片手をヒラヒラと振って帰っていった…

思わずまた、その場に座りこむあたし…

…夢…みたい…！
健太さんと…デート？…できるなんて…

赤く火照ったほっぺに手をあてながら、あたしは大きく深呼吸する…←笑

…それに…さっきの…笑顔…

肩越しにあたしを見る健太さんの顔…気のせいかもしれないけど…ちょっと微笑んでるような気がして…

普段は…ぶっきらぼうな感じなのに…あんなにふんわりした優しい笑顔…

………ズルい…
…そんな顔されたら…健太さんのこと…もっと、好きになっちゃう…

ドキドキうるさい心臓の音を感じながら、あたしは暫くその場所から…動けなかった…笑


…数分後…

…でも…何、するんだろ…？

『ヒマなら、俺に付き合えよ…』
そう言った、健太さんの笑顔を思い出す…

ふと我にかえって、考えを巡らす…

…ひょっとして…こんなにドキドキしてるけど…デートじゃなかったら…どーしよ…←切ないですね…笑

あたしの頭の中で、ドキドキと不安の気持ちが交互に入れ替わる…←完全に動揺してますね…笑

…でっ、でもっ!!…健太さんがあたしを誘ってくれたのは事実だもん!!
理由はどうあれ、あたしを誘ってくれたことに変わりはない…！

あたしと一緒にいる時は、健太さんを笑顔でいっぱいに…してあげたい…

A｢よーし！｣
あたしは小さく呟き、ゆっくりと椅子から立ち上がった。

…そうと決まったら…デート服、買いにいかなくちゃ！←笑

つい微笑んでしまう口と、ドキドキする胸の鼓動を感じながら…軽い足どりで、あたしはテレビ局を後にした…。

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